NVIDIAとドイツ銀行は、アバター、リスク管理言語モデルの大規模化、詐欺の検出など、銀行向けサービスを提供するための多数のAIプロジェクトに関する提携を発表した。
既にドイツ銀行では、決済の分類、安全性、ダイナミックプライシングにAIを使用しているが、これはより閉鎖的なアプローチであり、完全な導入には至ってないのが現状だという。一方、リスクモデルは、GPUやハイパフォーマンス・コンピューティング・スタックとともに、メタバース内の人材によって制御されている。ドイツ銀行では、NVIDIAとの提携による既存アプリケーションの強化や、同社ならではの新たな技術の進化を金融機関に期待している。
ドイツ銀行CEOのChristian Sewing氏は、「AI、ML、データは銀行業務のゲームチェンジャーとなり、NVIDIAとのパートナーシップは、我々の顧客にとって可能なことを再定義することを約束するさらなる証拠です。NVIDIAとのパートナーシップは、我々の顧客にとって可能なことを再定義することを約束する証拠です。」と述べている。
このパートナーシップの一環として、ドイツ銀行はNVIDIAの2つの商用ソフトウェアサービスを利用することになる。1つはNVIDIA AI Enterpriseで、クラウドでもオンプレミスでも、コンテナや仮想マシンでGPU加速アプリケーションを開発・実行する際の手間を省くためのAIツールおよびフレームワークのスイートだ。
トレーダーはリスクとシナリオをより速く計算し処理することができ、銀行業務をより効率的でエネルギー意識の高いものにすることができる。
2つめの商用ソフトウェアはNVIDIA Omniverse Enterpriseで、3D空間の作成と大規模デジタルシミュレーションを運用するためのコード群だ。いわゆる「メタバース」の構築に使われる。
ドイツ銀行は、Omniverse Enterpriseを使用して、従業員の「社内システムのナビゲートと人事関連の質問への対応」を支援するための3Dバーチャルアバターを開発している。そして、(これが必要なのかどうかは置いておいて)銀行の顧客のための“没入型体験”を作成する可能性を模索している。
同行はまた、Nvidiaと協力して、「金融トランスフォーマー」と呼ばれる大規模言語機械学習モデルを開発する予定だ。このモデルは、特に、問題のある取引の早期警告サインの検出、データ品質問題の特定、より迅速なデータ検索を可能にするために使用される予定だという。
NVIDIAの研究者は今年初め、すでにFinMegatron金融トランスフォーマーを披露しており、ドイツ銀行も注目していた。
NVIDIAの創業者兼CEOであるJensen Huang氏は、「加速されたコンピューティングとAIは転換期にあり、私たちはクラウドを通じて世界の企業にそれらを提供しています。未来のビジネスのあらゆる側面は、光の速さで動作する洞察力とインテリジェンスで超高速化されるでしょう。ドイツ銀行とともに、私たちは金融サービスの運営と提供の方法を近代化し、再構築しています。」と述べている。
この提携により、2025年および将来に向けて、銀行のニーズにAIを完全に統合するための戦略が準備される。ドイツ銀行は、投資や銀行業務のニーズに応えるため、世界58カ国に8万人以上の従業員を擁している。
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