イタリアの高級自動車メーカー Maserati が、ついに電動グラントゥーリズモを本格的に公開した。「GranTurismo Folgore」は、ライバルのEVスポーツカーと比較して、全高135cmと、ガソリン仕様(モデナ、トロフェオ)並みとなる、圧倒的なボディの低さを実現している。これは市場で最も背の低いEVだとMaseratiは述べている。エアロダイナミックホイールやエキゾーストパイプがなければ、EVと見分けが付かないだろう。
このプラットフォームはフォーミュラEから得られたテクノロジーにより実現している。「Tボーン」と同社が呼ぶ、すべてのバッテリーセルを乗員の下から取り除く低床レイアウトを採用しており、これにより、重量配分を最適化し、低重心を維持することができるとのことだ。
独立したトルクベクタリングを備えた300kWのモーターを3台で、ガソリン車をしのぐパワーを発揮する。詳しいスペックは以下の通りだ。
- 総出力:1,200ps
- 最大トルク 1,350 Nm
- 6.5kg/kWhの重量/エネルギー比
- AC充電 最大22kW
- DC急速充電 最大300kW
- 5分間で100 kmまで充電可能(270 kW充電時)
- 18分で20%-80%急速充電可能
- 0-100 km/h(0-62mph):2.7秒
- 時速0-200 km/h加速:8.8秒
- 最高速度:320 km/h
- 車両重量:2,260kg
- 航続距離450 km WLTP
- CD値: 0.26
- トランク容量: 270リットル
座席周りのテクノロジーも従来モデルから大幅にアップグレードされている。12.2インチのデジタルダッシュ、12.3インチのセンターインフォテイメントスクリーン、8.8インチの “コンフォートディスプレイ “が搭載される。ヘッドアップディスプレイは道路から目を離さなくて済み、デジタルバックミラーは、特に後ろが見にくいこの手のスポーツカーの悩みである駐車の手助けをしてくれる。また、Alexa、Android Auto、Apple CarPlayが利用可能だ。
さらにスポーツカーではあるが、アクティブレーンアシスト、3Dロードビュー(近隣車両を含む)、狭い場所をナビゲートするための360度ビューなどのドライバー支援のためのハイテク機能も満載だ。
面白いのは、EVであるにもかかわらず、エンジン音を楽しみたいオーナーのために、「リアルなエンジン音」を再現し、オーナーに届けてくれるそうだ。Maseratiはこれを、「サウンド・フィンガープリント」と呼んでいる。実際のV8エンジンの音をレコーディングし、走行中の電気モーターとインバーターからの指令に基づいてリアルタイムで生成されるリアルなエンジン音を再現しているとのことだ。このサウンドは、フロントのアコースティック・ビークル・アラート・システム(AVAS)、外部エンジン・サウンド・シンセサイザー(EESS)、トランクのプレミアム24チャンネル・アンプを使って実現されている。
Maseratiは、次期電動GranTurismo Folgoreについて、米国では17万ドルから21万5000ドル(EMEAでは17万5000~22万ユーロ)と予想している。
マセラティによると、EUでの販売開始は2023年7月、次いで9月に英国と米国での販売が予定されている。その他の国でも、2023年末までに販売が開始されるはずだ。
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