5月13日に発表された楽天モバイルの新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」だが、これまで1GBまでの利用は0円で運用できていた部分が廃止となり、大きな方針転換となっている。
4キャリアの格安プラン比較から見た楽天モバイルの優位点
楽天モバイル・ドコモ・au・ソフトバンクのプラン比較表
今回のプラン内容改定に伴い、既に料金が発生する使い方をしている顧客に対してはサービスを拡充したとの事だが、大手3キャリアが既に格安プランを導入している中で、楽天モバイルの優位性は果たしてどこにあるのか?
楽天モバイルの新料金プラン「UN-LIMIT VII」と他社プラントを比較してみたのが下記の表となる。
楽天モバイル UN-LIMIT VII | ドコモ ahamo | au(KDDI) povo2.0 | ソフトバンク LINEMO | |
---|---|---|---|---|
0円運用 | × | × | ○ | × |
3GBまで | 980円/月 | 355円/7日間 900円/30日間 | ミニプラン:900円/月 LINEでのデータ転送はノーカウント | |
20GBまで | 1,980円/月 | 2,700円/月 | 2,455円/30日間 | スマホプラン:2,480円 LINEでのデータ転送はノーカウント |
60GB | 2,980円/月 | +1800円/月 (4,500円/月) | 5,900円/90日間 | – |
100GB | 11,800円/180日間 | – | ||
150GB | – | |||
無制限 | 300円/24時間 | |||
データ容量消費後のデータ転送速度 | 楽天回線エリアなら無制限 その他は最大1Mbps | 最大1Mbps | 最大128kbps | ミニプラン:最大300kbps スマホプラン:最大1Mbps |
データチャージ(1GBあたり) | 500円 | 355円/7日間 | 500円 | 500円 |
国内通話 | 15分かけ放題 1,100円/月 | 5分かけ放題 基本プランに含まれる | 5分かけ放題 500円/月 | 5分かけ放題 500円/月 |
– | かけ放題オプション 1,000円/月 | かけ放題オプション 1,500円/月 | かけ放題オプション 1,500円/月 | |
Rakuten Linkアプリでかけ放題 | ー | ー | LINE同士はかけ放題 | |
国内SMS | 1,100円の15分かけ放題プラン加入でSMSし放題 | 70文字(全角)まで3円~ | 70文字(全角)まで3円~ | 70文字(全角)まで3円~ |
メールアドレス提供 | 7月1日から | なし | なし | なし |
申込み(オンライン) | ○ | ○ | ○ | ○ |
申込み(店舗) | ○ | 1回3,000円 | × | × |
0円での運用はpovo2.0しか選択肢がない
今まで0円で電話番号を維持できていた楽天モバイルだが、今回の改定で廃止となった為、サブのスマートフォン用に電話番号を安く確保しておこうと言う場合はpovo2.0しか選択肢がなくなった。
月のデータ利用量が~3GBの場合
テレワーク勤務等が主でWi-Fiに繋ぐ事が多く、あまり外でモバイルネットワークに繋がない等、月のモバイルデータ使用量が3GB未満の場合、料金的にもauのpovo2.0やソフトバンクのLINEMOが月額900円(税込990円)で3GBまで使えるため、月額980円(税込1,078円)の楽天モバイルは料金面でメリットがなくなった。
電話機能を多く使うという場合は、Rakuten Linkアプリを使うことで携帯電話や固定電話(一部対象外)に関しては、基本料金内でかけ放題となるため、メリットがあるが、ほとんど電話は使わないと言うことであれば、同様に楽天モバイルを選ぶ理由はない。
月のデータ利用量が~20GBの場合、料金はpovo2.0とほぼ同額
表をご覧になって、月のデータ利用量が20GBならば、1,980円(税込2,178円)の楽天モバイルが1番安く見えそうだが、継続して利用することを前提に考えると、auのpovo2.0で60GB(90日)を5,900円(税込6,490円)で設定した方が、1か月当たりでいうと2,163円になるので微妙に安い。ただ1か月が30日ではない場合もあるので、そういった点を考慮すると、auと楽天はほぼ同額程度と思われる。
月20GB以上利用する場合は楽天モバイルが料金面で圧勝
月に20GB以上のデータ利用量がある場合は、楽天モバイルに圧倒的に料金面でのアドバンテージがある。楽天モバイルでは2,980円(税込3,278円)を払えば、いくら使ってもこれ以上の請求がないからだ。ただし、「楽天モバイル回線エリア内」に限られるという点は注意が必要だ。
楽天モバイルをオススメ出来る人はどんな人か?
これまでの0円運用がなくなる分、「とりあえず入っておこう」がなくなる楽天モバイルだが、ではどんな人にオススメ出来るだろうか?
筆者の見解では具体的には、以下に当てはまる人だろう。ポイントは、普段から電話をよく使うかどうかと、電話する際にRakuten Linkを使うかどうかということだ。
楽天モバイルがオススメできる人
- 月のデータ使用量が20GB以上使う事が確実な人
- 電話をする機会が多く、特に長電話する事が多い人
- 楽天経済圏にどっぷり浸かっている人
- 楽天独自のメールアドレスが欲しい人
- 店頭での対応を希望する人
といった感じだろうか。
(1)に関しては、例えば家にインターネット回線を引いておらず、自宅でもモバイル回線で接続する人だ。また、あえてインターネット回線を引かずに、楽天モバイル回線でテザリングして家の中の他のデバイスの接続も行う様な使い方だろうか。(筆者も実際引っ越しして光ファイバー工事が終わるまではお世話になった事がある)
(2)に関しては、Rakuten Linkアプリの利用が前提だが、980円の3GBプランでも電話はし放題だ。事業用途などで電話を多く使う場合など、格安で運用できる。ただし、Rakuten Linkアプリが利用できない所(例えばナビダイヤル宛)などでは普通に通話料が加算されるので注意が必要だ。
(3)に関して、楽天モバイル契約者は、楽天市場での買い物などでポイントに優遇があるため、楽天ヘビーユーザーならばメリットがあるだろう。
(4)はそのままだ。他のキャリアにはない特典ではあるが、正直これはそこまで魅力のあるものとも思えないが、中には独自のキャリアメールを必要とする人もいるかも知れない。そういった場合は魅力だろう。
(5)は、お年寄りや携帯電話の手続き関係などに疎い人は、店頭で説明を受けながら契約が出来る楽天モバイルは魅力的だろう。また、何かトラブルがあったときも店頭で相談出来るのは魅力的だ。他のキャリアは別途料金だったり、そもそも店頭では格安プランの対応をしてくれないからだ。ただし、楽天モバイルの店舗は数がそこまで多くないので、近辺にあるかどうかを確認する必要がある。
楽天モバイルで注意するべき所
楽天モバイルも以前に比べてだいぶ改善されたとはいえ、やはりまだまだ繋がりにくいのが現状だろう。また、楽天回線エリアを出てしまうと使い放題の対象ではなくなってしまう点も注意が必要だ。
自分が普段生活するエリアが楽天回線エリアに含まれるのかどうかを確認した上で判断した方が良いだろう。
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