イオントラップ型量子コンピュータ開発のスタートアップ IonQ は、1月10日、特殊なネットワーキング技術を用い、産業および学術ユーザーのマルチ量子プロセッサーソリューションの構築と最適化を支援するトロント拠点のスタートアップ、Entangled Networksを買収した事を発表した今回の買収はIonQにとって初めての買収となる。なお、買収金額については明らかにされていない。
IonQの社長兼CEOであるPeter Chapman氏は、「Entangled Networks社の資産を取得することで、量子アーキテクチャのトップエキスパートだけでなく、当社のシステム性能を大幅に向上させるためのソフトウェアツールの恩恵を受けることができます。また、IonQ Canadaの開設にも期待しています。この拡張により、カナダの盛んな量子コンピューティングコミュニティをより良くサポートし、IonQのパートナーやお客様との協力関係をさらに深めることができます。」と述べており、今回の買収によりカナダに足がかりを得ることに期待を見せている。
Entangled Networksは、その名の通り、複数の量子コンピュータをネットワーク化することに注力している。Amazonが最近、量子ネットワークに焦点を当てた新しい取り組みを開始するなど、業界全体もこれに注力し始めている。量子ビット数のスケールアップが漸進的である現在、量子コンピューティングの理想を実現するためには、マルチプロセッサ・ネットワークが必要になるだろう。量子コンピュータの性質上、コアをまたいで量子ビットを絡ませることは可能だが、それを実現するには特殊なネットワークが必要だ。
IonQによると、同社の量子ネットワーキング技術は現在開発中であり、2023年には2台の量子コンピュータを接続できるシステムの初期バージョンを公開する予定だという。同社の主力製品である量子コンピュータ「IonQ Aria」は、現在25アルゴリズム量子ビット、次世代システム「Forte」は最大32量子ビットを提供する。
Entangled Networks社の共同設立者兼CEOであるAharon Brodutch氏は、「私たちは、IonQが商業的にもシステム性能的にも明らかにマーケットリーダーであると確信しています。我々は、IonQの量子コンピューティングソリューションを増幅し、より強力なアプリケーションを顧客に提供する準備が整いました。」と述べている。
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