Android OSのOTAアップデートに要する時間を短縮しようと、Googleは以前から継続的に取り組んでいるが、新たな取り組みではアップデートのフルインストールに要する時間を最大で10分短縮できるようだ。
- Android Police: Google’s working to speed up Pixel software update install times
Android 6以前を使った事のある方は、Android OSのアップデートにかなり時間がかかっていたことを覚えているだろうか。インストールや再起動などの作業で、10分から15分はデバイスが使えない状態だった。
Android 7.0 Nougatでシームレスアップデートが導入されたことでそれが変わった。ソフトウェアアップデートをセカンダリ仮想システムパーティションにバックグラウンドでインストールし、再起動でそれに切り替えるようになり、実際にデバイスを使えない時間はがわずか数分に短縮された。しかし、インストール自体に20分もかかるという事実は、依然として変わっていなかった。だが今回、Android Open Source Project gerritに提出された新しいパッチ群から、この状況が変わるであろうことが判明した。
Mishaal Rahman氏によると、Googleは圧縮機構を備えた仮想A/BパーティションをサポートするデバイスでOTAアップデートのインストールを高速化するために取り組んでいるとのことだ。この改善により、OTAのフルインストール時間を最大10分短縮することができるという。
Pixel 6 Proでは、このパッチにより、2.2GBのフルOTAのインストール時間が23分から13分程度に短縮されたとのことだ。同様に、376MBのインクリメンタルOTAは、元々22分かかっていたのが16分になっている。最初のパッチは、クラスタ内でのバッチCOW(コピーオンライト)操作を可能にし、2番目のパッチは、スナップショットの圧縮を高速化するために2つのスレッドを使用することを可能にする。後者の修正だけで、インストール時間を約6分短縮することができるのだ。
GoogleはAndroid 13で仮想A/Bパーティションにいくつかの改良を加え、スナップショットサイズを25%から40%減らし、マージ時間を最大40%短縮した。これらのプロセスの改善は、OTAインストールをさらに高速化することを目的としている。
シームレスアップデートの利点は何年も前からあるにもかかわらず、ほとんどのAndroidメーカーはまだそれを採用していない。Googleは、Android 13で起動するデバイスにシームレスアップデートを配布するようOEMに要求する措置を取ったようだが、実際にどうなっているか、公式な発表はまだない。
ただ、少なくともPixelスマートフォンの所有者は、まもなく全体的に高速なOSアップデートが体感できるようになりそうだ。
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