回転寿司チェーン店で不衛生な行為を行い話題を呼ぼうとする愚かな行為、いわゆる「寿司テロ」動画の拡散によって、回転寿司業界は失った信頼を回復するために最新技術を導入する。業界大手「くら寿司」は、AIを使って「寿司皿のカバーの不審な開閉」を検知する技術を導入することを発表している。
くら寿司は3月上旬までに、客がベルトコンベアから取った皿を追跡して会計を決めるために使われている既存のカメラのアップグレードを開始する予定だ。このシステムが不審な行動を検出した場合、従業員に警告を発するという。プログラムのアップデートで対応できるため、既存のカメラを置き換える必要もなく、スピード感のある対応が可能となったようだ。
「寿司テロ」と呼ばれる、不衛生な行為、例えば、抹茶の容器のスプーンを舐めたり、客席に備え付けの醤油ボトルを舐めるなどの不衛生な行為をする愚かな人々の愚かな行為の動画が拡散され、回転寿司業界は大きな打撃を受けている。実際、これら動画の拡散後、スシローの親会社の株価は5%近く下落した。日本人の食品衛生への意識からすると、回転寿司業界が被る打撃は大きく、向こう半年は客足が遠のくことも予想されている。
こうした問題に対して、回転寿司各社は一部では“厳しすぎる”と言われるほどの対応を取る姿勢を示している。はま寿司を運営する株式会社はま寿司は、寿司テロを起こした客からの謝罪の申し入れを断り、警察に相談の上、被害届を提出。巨額の損害賠償も視野に入れた、刑事・民事両サイドから厳正に対処するとしている。同様に、スシローを運営するあきんどスシローも「警察と相談し刑事民事の両面から厳正に対処する」という声明を発表している。両社は、過去に遡り、同様の事件を起こした加害者に対しても厳正な対処をする方針とのことだ。
スシローは、影響を受けたレストランで醤油の瓶をすべて交換し、コップをすべて洗浄したという。他の回転寿司チェーンと同様に、寿司テロを阻止し、衛生意識の高い顧客に店が清潔であることを保証するために、レーンにアクリル板を設置し、注文された商品以外を流すことを取りやめる施策も打ち出している。
くら寿司は、他にもAIを活用している。2020年、同社がマグロを格付けできるアプリを利用していることが明らかになった。少なくとも当時、くら寿司はマグロのほとんどを海外から仕入れていた。このアプリは、パンデミックのさなかに出張することなく、切り身の品質を評価するのに役立つとされていた。
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