OpenAIは、ChatGPTの無料及び有料ユーザー向けに、新たに「Memory」設定機能をテストしている。これは、ChatGPTにユーザーが意図した事柄を記憶するよう指示したり、記憶内容を確認したり、記憶を完全にオフにしたりすることができるものだ。これにより、ユーザーはチャットを開始する度に初対面のチャットボットを相手にすることがなくなるかも知れない。
OpenAIはブログ投稿で次のように説明している:
「ChatGPTは、チャット間で学習したことを持ち運び、より適切な応答を提供できるようになりました。ChatGPTの記憶力は、使えば使うほど良くなっていきます」。
Memoryを設定するには2つの方法が提供される。1つはこれまでのカスタム指示のように、あなた自身の情報をあらかじめリストにして設定しておくこと。例えば、「2歳のLinaと言う名前の娘がいる」「旅行好き」など。もう一つは、ChatGPTとの会話の中で、あなたについての情報を保存し、時間の経過とともにそれらの詳細をピックアップしようとすることが出来る。
OpenAIは、その他、ブログ記事のトーン、ボイス、フォーマットの好みや、プログラミングの言語やフレームワークを記憶するなど、ビジネスの文脈で記憶が役立つ可能性のある方法をいくつか挙げている。
また、先日OpenAIがリリースした「GPTs」もこのMemoryを利用出来るようになる。OpenAIはBooks GPTを例示している:Memoryをオンにすると、どの本をすでに読んだか、どのジャンルが一番好きかを自動的に記憶することができる。ただし、これらの記憶はChatGPTと共有されることはない。
ChatGPTとGPTのMemory機能は、ChatGPTの設定メニューからいつでもオフにすることができ、オフにするとChatGPTとGPTはMemoryを作成したり使用したりしなくなる。この同じメニューから、特定の記憶を表示・削除したり、全ての記憶を消去することも可能だ。
なお、チャット履歴からチャットを削除してもChatGPTやGPTの記憶は消えることはない。
このMemory機能は今後デフォルトでオンになるようだが、これはOpenAIが多くのユーザーに関する個人情報を蓄積するという新たな懸念をはらむ物だ。OpenAIはその可能性を認めており、また、ChatGPTのビジネス顧客やオプトアウトしたユーザーには例外として、そのモデルを改善するために記憶を使用する可能性があるとしている。OpenAIによれば、ChatGPTの記憶をユーザーがコントロールできるようにしており、健康情報などの機密情報を記憶しないようにシステムを訓練しているという。
OpenAIはまた、よりプライバシーを保護するために、一時的なチャットを一種のシークレットモードとして提案して利用する事も提案している。
今のところ、Memory機能はテスト的なもので、”ごく一部の”ユーザーに公開されている、と同社は述べている。だが、今後はこれが全てのユーザーにデフォルトで適用されるということで、これまで以上にChatGPTはより賢くなり、私たちのことを素早く理解できるようになる事が期待される。
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