中国のGoogleとも言うべき、検索エンジン大手の百度(Baidu)が、自動運転車の開発で一歩先行している。
百度は、今週から中国・武漢において、午前7時から午後11時の間、同社のロボタクシーに乗ることが出来る様になった事を発表している。
既に同社は、2022年8月以降、重慶と武漢において、中国政府の許可を取得して完全無人配車サービスを展開しており、午前9時から午後5時までの間、利用する事が可能だった。それが、今回営業時間の拡充になる。これに伴い、100万人の利用が見込まれるとのことだ。
既に提供しているロボタクシーサービスは、専用アプリの「Apollo Go」によって利用できるが、それによると、2022年の第3四半期だけで、47万4,000回以上の乗車を達成しているとのことだ。Apollo Goでの累計受注台数は、140万台になるという。
ただし、こういった配車アプリを利用したことがある方ならお分かりのように、初回限定で客引きのための大幅な値引きが行われている事が多々あり、それを目当てで一度だけ使ったユーザーも多数いると考えられ、実際にリピータの利用によって百度の継続的な収入源になり得るのかというと、まだまだそこは不透明だ。
ただし、百度は自動運転分野にかなりの投資を行っている。中でも、自律走行車が見たことも経験したこともないシナリオに遭遇する「ロングテール」問題について、長い間取り組んできた。今回これを解決するために、業界初の自律走行用大規模AIモデルを発表した。このAIは、text-to-imageの変換プラットフォームを支えているのと同じ大規模なモデルであるWenxinによって支えられているという。
「このモデルは、特殊車両(消防車、救急車)の認識、ビニール袋の誤検出など、自律走行車が見たことのない物体を素早く理解することを可能にします。さらに、百度の自律走行知覚モデル(WenXin Big Modelのサブモデル)は、10億以上のパラメータを活用し、自律走行知覚の汎化能力を劇的に向上させることができます。」と百度は説明している。
また、よりスムーズな乗車体験のための自律走行マップの開発にも力を入れている。
「百度の新世代自律走行マップは、自動生成、リアルタイム融合、知識強化などの総合的な機能を備えている」と、百度の自律走行技術専門家、黄継州氏は言う。
このために、具体的には以下の取り組みが行われているという。
- 地図制作の自動化率96%。AIをキードライバーとして効率を上げ、コストを下げることで、百度の高精度地図生産の自動化率は現在96%に達している。
- リアルタイムで地図を更新し、運転の安全性を確保。車両側の知覚データとマルチソースマップを統合してリアルタイムにオンライン地図を生成することで、自律走行の安全性を大幅に確保することができた。
- 膨大なデータ+人間のドライバーの知識で運転の信頼性を向上。1200万キロメートル以上の道路ネットワークと百度地図に蓄積されたデータ、および数億人の人間の運転時間により、百度の自律走行地図はこれらのデータポイントを効果的に統合し、自律走行の信頼性を向上させることができる。
- クローズドループデータシステムで自律走行のインテリジェンスをさらに高める
また、百度が開発した第2世代Kunlun AIチップが自律走行用のエンドツーエンドの性能適合を完了したことも明らかにした。これは、自律走行ソフトウェアとハードウェアの両方における百度の優位性をさらに強固にし、統合するための大きなマイルストーンになるとのことだ。
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