異星の先進文明は我々の存在を認識しているのだろうか?

masapoco
投稿日 2023年9月1日 11:14
vla

星の大海原を漂う私たちは、きっと孤独ではないはずだ。

夜空を眺めて、そこに他の文明が存在する可能性を考えないわけにはいかない。Giordano Brunoの哲学的思索からFrank Drakeの統計的推計に至るまで、宇宙について知れば知るほど、異星人の存在の可能性は高まっている。しかし、この生命を探し求める私たちの耳には、沈黙しか聞こえてこない。

宇宙で私たちだけが生命体である可能性は常にある。他の文明が私たちだけに秘密にしているか、私たちには見えない通信技術を使っている可能性があるのと同じだ。しかし、無線通信は強力かつ安価であり、私たちはそれを多用している。私たちの電波は何十年も前から地球から発信されている。では、なぜ他の文明も電波を使うべきではないのだろうか?

楽観的すぎると感じる人もいるだろう。われわれは宇宙空間にたくさんの電波を放射しているが、電波の光は球体をどんどん拡大していくため、距離が離れるにつれてその威力は弱まる。星間空間の塵やガスによる干渉も相まって、現在の電波受信機では地球から数光年以内でしか私たちの信号を聞くことができない可能性が高い。1974年にヘラクレス星団に送信されたアレシボ・メッセージのように、強力な電波メッセージを宇宙に直接送信したことは何度かある。しかし、それでも22,000光年を旅して目的地に到達する頃には、ひどくかすかなものになってしまうだろう。

もちろん、私たちは若く単純な種だ。おそらく古代の超高度な種は、宇宙の塵から私たちのメッセージを引き出すことができただろう。しかし、何百光年、何千光年もの距離を越えて、そのようなことができるのだろうか?それが、新しいarXivの論文で検証された疑問である。

著者はまず、先進文明のカルダシェフ・スケールから始めた。1964年に提唱されたこのスケールは、エネルギー資源を利用する能力に基づいて文明をランク付けする。タイプIの文明は惑星規模、タイプIIは恒星系規模、タイプIIIは銀河系規模でエネルギーにアクセスできる。Carl Saganらはこれをスライド式に一般化し、人類は0.73程度であると推定している。これに基づき、著者は、人類文明の遺物を発見するためには、文明がどの程度の規模である必要があるのか、また、それはどの程度の距離まで可能なのか、と問うている。

我々の人工的な電波が100光年の宇宙空間しか通過しないことを考えると、ある種は地球上の人工的な特徴を解決しようとする方がチャンスはあるだろう。都市や大規模な土木工事のようなものだ。例えば、ギザのピラミッドを考えてみよう。大ピラミッドの底辺は約230メートルもある。

地球に届く光の量を考えると、望遠鏡のパワーに関係なく、ピラミッドは数千光年ほど先には見えないだろう。その距離を超えると、何かを解き明かすのに十分な光子が届かないのだ。可視光線の中間の波長(約550nm)を10メートルの分解能とすると、最大距離は約3,000光年になる。

この距離でピラミッド型の特徴を解き明かすには、口径約10天文単位の光学望遠鏡が必要になる。これは土星の軌道よりも少し大きい。この規模の望遠鏡は、土星軌道上に数百万の衛星を配置した光学望遠鏡アレイを使えば、原理的には建設可能である。もちろん、これは我々の現在の能力をはるかに超えているし、惑星規模の文明の能力も超えている。少なくとも、自分の星系のマスターになる必要があるだろう。

つまり、タイプⅡの文明は、3000光年以内に人類の偉大な業績を見ることができるということだ。偉大な異星人は、我々がここにいることを知るかもしれない。しかし、我々がタイプIIに到達し、お返しに彼らを見ることができるようになるまでには、何千年もかかるだろう。


論文


この記事は、BRIAN KOBERLEIN氏によって執筆され、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。



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