流出した社員向けメールによると、Amazonは人工知能(AI)開発に今後ますます注力し、リソースを十分に注ぎ込むために、事業の優先順位と顧客ニーズを把握した結果、いくつかの事業を中止しすることを計画しており、その中にはAlexa部門での数百人規模の人員削減も含まれるようだ。
GeekWireが入手した社員向けメールの中で、Alexa&Fire TV担当副社長Daniel Rausch氏は以下のように述べている:
私たちは、Alexaの進歩にとても勇気づけられています。お客さまは毎時数千万回Alexaと対話し、お客さまのご家庭には5億台以上のAlexaデバイスがあります。また、生成AIへの投資により、より直感的でインテリジェントかつ便利なAlexaを実現するという私たちのビジョンは、これまで以上に近づいています。私たちは発明を続ける一方で、事業の優先順位やお客様にとって最も重要であると私たちが認識していること、つまり生成AIに焦点を当てた私たちのリソースと取り組みを最大限に活用することなどにより、私たちの取り組みの一部をシフトしています。こうしたシフトにより、いくつかのイニシアチブを中止することになり、その結果、数百の職務が廃止されることになります。
このニュースは、Amazonが最近LLMを搭載したAlexaの実験を発表した後に発表されたもので、Rausch氏は、Alexaが廃止されるのではなく、その将来のバージョンが同社にとって依然として重要であることを指摘している。
「新しい大規模な言語モデルを音声フォワードのパーソナルAIに組み込むことは、これまでも、そしてこれからも、科学的・工学的に非常に大きな挑戦です。私は、当社の顧客がまもなくAlexaの未来を体験できることに興奮しています」とRausch氏は書いている。
OpenAIは最近、ChatGPTをアップデートし、音声とスピーチをサポートした。Googleのアシスタントもより進化しており、近々Geminiのアップグレードが行われるとされている。
各社がAI開発にしのぎを削る中、Amazonも急速に進歩する生成AI分野で遅れをとらないようにするというプレッシャーにさらされているのだ。
The Informationが引用した匿名の情報筋によると、Amazonは生成AI市場でOpenAIやMicrosoftに対抗するため、Olympusと呼ばれる大規模言語モデル(LLM)を開発しているという。
この新しいモデルは、Amazonの現在のAIモデルであるTitanを上回ることが期待されており、OpenAIのGPT-4の2倍の規模でトレーニングされていると言われている。現在Amazonは、OpenAIやGoogle、オープンソースのモデルに大きく遅れをとっており、これによって一気に巻き返したい考えだ。
加えてAmazonは、OpenAIの競合であるAnthropicにも最大40億ドルを投資している。しかし、GoogleもAnthropicに20億ドルを投資しているため、MicrosoftとOpenAIのような独占契約はありそうにない。
Googleが2024年第1四半期にGeminiをリリースし、MicrosoftがOpenAIのモデルを独占的に提供することで、Amazonは独占的なLLMを提供しない唯一の主要クラウドプロバイダーとなり、このことは同社のクラウド分野の成長を脅かす可能性にもなりそうだ。
Source
コメントを残す