自分の睡眠を理解することは、睡眠の質の向上に繋がるが、睡眠状態の追跡のために何かを身につけることは、そもそも睡眠の質にも影響するので本末転倒になる可能性もある。
Amazonは、カメラやマイクなしで動作し、デバイスの近くで睡眠している人の睡眠状態を追跡するベッドサイドランプ件睡眠トラッカー「Halo Rise」を発表した。日本での発売は未定だが、米国等では2022年後半に140ドルで販売されるという。
Halo Riseは、非接触・低エネルギーセンサーを使って、動きや呼吸のパターンを感知する。機械学習と組み合わせることで、Halo Riseは体の上下や膨張・収縮から、一晩中の睡眠段階を判断することができる。Amazonは、「睡眠分析の臨床的なゴールドスタンダードである “終夜睡眠ポリグラフィ“に対して、デバイスの睡眠アルゴリズムをトレーニングし、検証した」と述べている。
もし、他の人や動物がベッドを共にしている場合、Amazonのアルゴリズムは、彼らの活動を検知して除外し、あなたのデータだけを睡眠のサマリーに含めることができるとのことだ。そして、環境を最適化する方法など、より良い眠りのためのヒントを提供するという。
また、Halo Riseは部屋の温度や湿度、明るさを測るセンサーを搭載しており、ランプにもなっている。日の出の時間に合わせて光るので、カーテンを開けたときに明るさのギャップに驚かされることなく、徐々に明るくなるらんぷで、快適に目覚めることが出来る手助けをしてくれるという。また、スマートアラームを設定すれば、睡眠段階をモニターして、深い眠りの途中で邪魔をされることなく、理想的なタイミングで起こしてくれる。
Halo RiseはAlexaとも連携し、インサイトに基づき、目覚めの際にお気に入りの曲を流し始めるよう、対応Alexaデバイスを設定することも可能だ。パーソナライズされた睡眠ルーチンがあれば、Halo Riseはベッドに入ったときにそれを起動し、照明やその他のデバイスをあなたに代わってオフにすることも可能だ。
プライバシーを気にする人は、好きなときに睡眠トラッキングセンサーをオフにすることもできる。Amazonによると、すべてのHaloヘルスデータは、送信中およびクラウド上の静止状態で暗号化されているという。また、自分の健康データをダウンロードしたり、アクセスを制限したり、完全に削除したりすることも可能だ。
Amazonはこれを「初のベッドサイド用睡眠トラッカー」と説明しているが、実はGoogleがすでに昨年、第2世代の「Nest Hub」で同様のものを発表しているのが記憶に新しいことだろう。Nest Hubは、同社のSoliレーダーセンサーを使って呼吸をモニターし、ベッドのそばでも使えるように設計されている。Halo Riseのようなアラームやライトはないが、同じ原理に基づいている。ただ、Nest Hubの精度はお世辞にも良いとは言えないようだ。AmazonのHalo Riseがどの程度効果的に機能するのか、それによってこの市場で大きな存在感を放つ可能性もありそうだ。
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