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宇宙の彼方には何があるのか?

晴れた夜空を見上げると、私たちは宇宙を目にする。広大で、無限に広がっているように見える宇宙には、私たちが知っているあらゆるものが存在している。

宇宙の彼方に何があるのかを知るには、宇宙、つまり私たちの宇宙がどこで終わるのかを知ることから始めるのがいいだろう。問題は、宇宙の果てがどこなのか、あるいは果てがあるのかどうかさえも、私たちにはわからないということだ。

私たちが現在持っている技術を駆使して宇宙を見通すことができる最も遠い距離は、460億光年先である。私たちが見ることのできる宇宙の容積は、観測可能な宇宙と呼ばれている。この先に何があるのかはわからない。もしかしたら、もっと銀河や星や宇宙があるかもしれない。もしかしたら宇宙の果てかもしれない。

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太陽を中心とした、観測可能な宇宙の距離と大きさを示す縮尺図。 (Credit: Pablo Carlos Budassi/Unmismoobjetivo/WikipediaCC BY-SA)

宇宙は無限、つまりどこまでもどこまでも続いていると考える人もいる。この場合、空間の後には何もないことになる。

しかし、仮に宇宙に終わりがあったとしても、その端がどこにあるのかを私たちが見つけるのは非常に難しいかもしれない。

例えば、私たちの住む地球について考えてみよう。私たちは、地球が無限に続いているわけではなく、地球が終わると宇宙が始まることを知っている。しかし、地球の端を探して歩き出したとしたら、永遠に歩き続けてもたどり着けないだろう。なぜなら、地球は球体だからである。地球の端がどこにあるのかを知るためには、地球の形を知る必要がある。

宇宙の形状を理解することで、宇宙の端がどこにあるのかを知ることができるかもしれない。天文学者たちは今、宇宙の形を知る手がかりを探して研究している。

宇宙を理解する

私たちは、宇宙から地球の写真を撮ることができたので、地球全体がどのように見えるかを知っている。宇宙の果てがどこにあるのかがわかれば、私たちも宇宙の果てを見ることができるかもしれない。

しかし、もうひとつ問題がある。宇宙は膨張している。私たちと他の銀河との間の空間は広がっている。銀河が遠ざかれば遠ざかるほど、遠くの銀河からの光が私たちに届くまでに時間がかかる。

いつかは、光がまったく届かなくなるほど遠く離れてしまうだろう。夜空は真っ暗になり、端があったとしてもそれを見るチャンスはほとんどなくなる。宇宙が膨張するということは、その果てが、そしてその先にあるものが、私たちからも遠ざかるということなのかもしれない。

宇宙の果てがどこにあるのかわからなくても、科学者たちはその先に何があるのかを考えることに多くの時間を費やしている。

多元宇宙の可能性

宇宙は1つだけではない可能性がある。私たちは「多元宇宙」のほんの一部に住んでいるのかもしれない。

もしかしたら、私たちの宇宙は、広大な何もない空間によって他の宇宙と隔てられた、独自の領域に含まれているのかもしれない。あるいは、平行宇宙が互いに接近し、あるいは重なり合っているのかもしれない。そうなると、本当の “辺”は存在せず、宇宙同士が混ざり合っていることになる。

宇宙の真の姿は、私たちの現在の視覚化能力や理解能力を超えているのかもしれない。宇宙の形を理解することで、宇宙が永遠に続くのか、それとも終わりがあるのかを知ることができるかもしれない。その先に何があるのかは、さらに大きな謎かもしれない。


本記事は、Maggie Lieu氏によって執筆され、The Conversationに掲載された記事「Curious Kids: what comes after space?」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。

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