ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、2022年7月12日からその運用を開始しているが、今回その1周年を記念して、星が生まれつつある息をのむような画像を公開した。この画像は、我々の惑星に最も近い星形成領域であるへびつかい座ロー分子雲領域を紹介している。
JWSTはたった1年で、宇宙の塵の雲を見つめ、宇宙の最も遠いところからの光を初めて捉えることを可能にし、私たちの宇宙に対する理解に革命をもたらした。この画像は、若い星から十字に伸びるジェットが周囲の星間ガスに衝突し、水素分子を照らしていることを明らかにしている。いくつかの星は、将来の惑星系誕生の場である星周円盤の特徴的な影を見せている。
地球に最も近い星形成領域であるへびつかい座ロー分子雲領域は、わずか390光年の距離にある比較的小さく静かな星の苗床である。この近さによって、驚くほど詳細なクローズアップ画像を得ることができる。描かれている領域には約50個の若い星があり、それぞれの質量は太陽と同じかそれよりも小さい。この画像は、水素分子の巨大なジェットによって支配されている。これは、星が宇宙塵に包まれた幼い星を破裂させたときに発生するもので、星が伸びて宇宙空間に反対方向にジェットを噴出する。
「ウェッブによるへびつかい座ロー分子雲領域の画像は、恒星のライフサイクルにおける非常に短い期間を、新たな明瞭さで目撃することを可能にしています。われわれの太陽も、はるか昔にこのような時期を経験しました。そして今、われわれは別の星の物語の始まりを見る技術を手に入れたのです」と、宇宙望遠鏡科学研究所でJWSTのプロジェクト・サイエンティストを務めたKlaus Pontoppidan氏は語る。
JWSTプログラム・サイエンティストのEric Smith氏は、「ウェッブが探査できる科学の幅の広さは、全天のターゲットから1年分のデータを得た今、本当に明らかになりました。ウェッブの最初の1年間の科学は、私たちの宇宙について新しいことを教えてくれただけでなく、望遠鏡の能力が私たちの期待以上であることを明らかにしました」と、その性能を賞賛している。
JWSTの宇宙での最初の1年は大成功であり、この新しい画像はその功績にふさわしいものだ。望遠鏡がその使命を続けるなか、私たちは今後も多くの素晴らしい画像と画期的な発見を期待できるだろう。
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