SpaceX社のStarship初飛行テストは、爆発はしたが、同社の計画で言うならば大成功に終わったとのことだ。
Starshipロケットシステムは、本日初めて打ち上げられた。発射台からの打ち上げはクリアしたものの、Starship初の軌道到達への試みは劇的な爆発で幕を閉じた。
次世代ロケットは、20日の現地時間8時33分(1333GMT)に、テキサス州南部にあるSpaceX社のStarbase施設を離陸した。人類史上最大のロケットが粉々に吹き飛んだ直後、SpaceXの打ち上げチームが歓喜の拍手を送ったことが強調されているように、全体として、最初の打ち上げは成功だった。
軌道には乗らなかったが“成功”だった
そもそも最初の計画として、Starshipが最初の試みで軌道に到達することは、求められていなかった。打ち上げ前、SpaceX社の品質システムエンジニアリング・マネージャーでライブストリームのナレーターの一人であるKate Tice氏は、SpaceX社が達成したい重要なマイルストーンは「発射台から離れること」で、それ以外の達成は「ボーナス」であると語っていた。
先月、SpaceX社のCEOであるElon Musk氏は、同社の次世代ロケットが初挑戦で軌道に到達する確率はおよそ50%であると述べた。「軌道に乗ると言っているわけではないが、興奮は保証する」とMusk氏は述べていた。
そして、StarshipとSuperheavyロケットが初めて打ち上げられた直後に起こったことは、確かに興奮を表現している。
打ち上げからおよそ3分後、Starship上段はSuperheavy第1段から分離するはずだった。しかし、残念ながらそれは起こらず、フルスタックは螺旋状に回転し始め、最終的には炎の玉となって爆発した。
Starshipの初飛行テストが終了し、Musk氏はツイッターで「SpaceXチームのStarshipのエキサイティングなテスト打ち上げに祝福を送ります!数ヶ月後に行われる次のテスト打ち上げに向けて、多くのことを学んだ」と書いている。
Ars Technicaのシニア宇宙エディターであるEric Berger氏が述べているように、「失敗が許されないNASAの仕事ぶりを見ている素人には、これは失敗のように見える。しかし、もう少し詳しい人、反復設計について知っている人にとっては、これはとてつもない成功だったのです。SpaceXはあと2~3機のロケットを準備しています」と、今回の打ち上げの意義を強調している。
「飛翔は究極のテストであり、最高のデータを提供してくれます。理論上の不具合を心配する必要はない。会社のエンジニアは、実際に何が問題なのかを特定し、それを修正することができるのです。しかし、ある程度の失敗は受け入れなければならない」。
SpaceXは打ち上げ直後にTwitterで、「このようなテストでは、成功は学んだことから生まれる」と指摘し、今日のテストは、SpaceXが人生の多惑星化を目指す中で、Starshipの信頼性を高めるのに役立つだろうとしている。
SpaceXの巨大火星ロケットが初飛行
Starshipは、宇宙産業の破壊者として長い間注目されてきたが、完全に積み上げられた打ち上げシステムが初めて空を飛ぶ姿は壮観だった。
この巨大な打ち上げシステムは、高さ120メートルもあり、これまでに作られたロケットの中で最も大きいものだ。また、NASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)を抜き、世界で最も強力なロケットとなった。SLSが月探査ミッション「アルテミスI」の打ち上げ時に約4,300トンの推力を生み出したのに対し、StarshipはSuperheavy第1段に取り付けられた33基のRaptorエンジンにより、打ち上げ時に7,711トンの推力を生み出したと推定されている。
Starshipは、世界で最も強力なロケットであるだけでなく、完全な再利用が可能だ。2002年にElon Musk氏がSpaceX社を設立した主な理由である火星への有人宇宙飛行を可能にするのだ。
Starshipが爆発した正確な原因はまだ不明だが、ライブ配信中の中でRaptorエンジン3基が点火されていないように見えると指摘されていた事に原因があるかも知れない。
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