オランダの美術館で「真珠の耳飾りの少女」のAI作品が出展されネット上で嵐を呼ぶ

オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館が、ヨハネス・フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」をモチーフにした人工知能（AI）を使った画像を展示し、批判にさらされている。

ベルリン在住のJulian Van Diekenは、自らを「デジタルクリエイター」と称しており、この名画の信奉者を対象に、名画の少女像を自分なりにアレンジした作品を募集する「My Girl with a Pearl」キャンペーンに応募された約3,480点の中の1点を出展している。

入賞作品はマウリッツハイス美術館で展示され、フェルメールの1665年の原画はアムステルダムのライクス美術館に貸し出されている（6月4日まで）が、170点の応募作品はデジタルフレームでループ上映されている。

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Van Dieken氏は、自身のInstagramでこう語っている。「写真、絵、AI画像、編み物のオマージュなど、誰もがこの有名な絵画の自分自身のバージョンを応募することができました。私も、（AIプログラム）MidJourneyとPhotoshopで作成したバージョンを応募しました」。彼は、応募と選考の方法が「透明なものであった」と付け加えている。「なぜなら、私の応募作品では…これらの新しいAIツールがクリエイティブなプロセスをどのように変えるかも考察しているからです」

この論争は、AIツールを使って作成された画像の有効性をめぐる議論を煽るものだ。この分野のアーティストは、AIがパラダイムシフトを促し、アーティストのエージェンシー、著作権、市場価値をめぐる難しい問題を促していると強調している。Van Dieken氏は自身のLinkedInページでこう付け加えている。「美術館がこの絵を選んだことは、もちろん非常に進歩的で特別なことです。この美術館で初めてAIを使った絵？それは美術史的な行動です」

しかし、Van Dieken氏の画像に関して、マウリッツハイス美術館のInstagramアカウントにはコメントが殺到している。オランダ人アーティストのIris Compietは、「恥であり、信じられない侮辱だ」と書き、他の多くの人々もそれに同調した。「フェルメールの遺産に対する侮辱であり、現役の芸術家に対する侮辱でもある。美術館からすれば、まさに平手打ちです」また、コロラド州を拠点とするアーティスト、Julia Rose Waters氏は、「（マウリッツハイスが）AI作品を選んだことに超失望している。その選択は、創造力を高めるために実時間を費やした他のアーティストを、機械が作ったアートに押しやったのです」。別の米国人アーティスト、Graham McCarthy氏は、「ここでAI作品を展示するのは馬鹿げている」と述べている。

マウリッツハイスは、「My Girl with a Pearl」イニシアティブはコンペティションではない、と声明で述べている。「昔も今も、『最も美しい』『最も優れている』ということを競うものではありません。私たちにとって、作り手がヨハネス・フェルメールの世界的に有名な絵画にインスピレーションを受けたということが、常に出発点です。そしてそれは、イメージや技術など、最も多様な方法で可能なのです」

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