昨年4月、Dellは一部のモバイルワークステーション向けに、全く新しいタイプのメモリモジュールを発表した。Compression Attached Memory Moduleの頭文字をとってCAMMと呼ばれるものだが、これは当時、Dellの「独自仕様」であるとされていた。しかし、現在このCAMMが、25年間標準であったSO-DIMMに代わるものとして、ノートパソコン用メモリの新しい標準として業界全体で採用されるようだ。
メモリ規格の認可を行っている業界団体JEDECは、CAMMへの移行を承認した。その理由の1つは、SO-DIMMがDDR5/6400でメモリ速度の壁にぶつかりそうだったことだ。これにより、業界がDDR6を進める2024年頃のタイミングで、CAMMへの移行が進む可能性がある。
しかし、CAMMの最大のメリットは、SO-DIMMよりもスペースを取らないという点で、ノートパソコンにとってはこれが特に大きな意味をなす。Dellによれば、CAMMはSO-DIMMに比べて、57%も薄いので、かなりのスペース節約になるのだ。
また、交換可能なモジュールが2つから1つになったが、この1つのモジュールに最大128GBのDDR5メモリを搭載することができる。更に、SO-DIMMよりも高密度で高クロックな動作が可能だ。加えて、CAMMでは、LPDDR6モジュールのスワップが可能になる。
JEDECが承認したというニュースは、DellのSenior Distinguished EngineerであるTom Schnell氏からもたらされた。同氏はJEDECの委員会のメンバーであり、DellのCAMMの策定にも携わった人物だ。Schnell氏はPCWorldに対して、「JEDECはSO-DIMMに代わるものとしてCAMM Common Specを導入する予定である」と語った。現在、委員会は初期の0.5スペックに取り組んでおり、バージョン1.0になるまで調整を続けるという。そして、2024年にはノートPCに実装されることになる。
Schnell氏によれば、今回の投票には20社以上が参加し、全会一致で決定されたという。JEDEC全体では332社が参加しているが、その専門性によって関わり方は異なる。
ただし、CAMMは現在のところDellの知的財産であるようだ。Dellが、自社の技術から生まれたJEDEC仕様のノートPCやメモリモジュール1台ごとにライセンス料を徴収するつもりなのか、それとも広く普及させるために料金を免除するのかは不明である。
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