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英国の量子コンピュータスタートアップ「Oxford Ionics」が48億円の資金調達

Oxford Ionicsは、量子コンピューティングへの「イオントラップ」アプローチの拡張を継続するため、シリーズA資金調達ラウンドで3,000万ポンド(約48億円)を調達した事を発表した。

Oxford Ionicsは、荷電原子粒子を電磁場に浮遊させ、量子コンピュータの情報を格納する単位である量子ビットをレーザーで操作するアプローチを量子コンピュータに用いている。同社の技術は、トラップされたイオンをベースに、個々の荷電原子を量子ビットとして利用するものである。しかし、IonQのような他の量子情報処理企業が原子の操作にレーザーを用いるのに対し、Oxford Ionicsは、シリコンチップから発生する電場と磁場を用いて量子ビットを制御している点が異なる。これは、既存のシリコン製造プロセスで拡張可能であるとのことだ。

今回の資金調達により、オックスフォードに拠点を置くスタートアップの2019年の創業以来の資金調達総額は3,700万ポンド(約60億円)に達した。Oxford Ionicsは、同社のイオントラップ技術が、テスト中に最高性能の量子コンピューターの世界記録を更新したと主張している。

Oxford Ionicsの共同設立者であるChris Ballance博士は、「量子コンピュータの真のパワーと可能性を見極め、それを引き出すためには、それを妨げているスケーラビリティ、インテグレーション、パフォーマンスという重要な問題を解決する必要があります。私たち独自のイオントラップアプローチは、この3つすべてに対処するために開発されました。Oxford Ionicsでは、量子コンピューティングが小さな段階を踏むだけでなく、レースを完走できるような技術を構築することに注力しています。」と述べている。

量子コンピュータは、従来のコンピュータよりはるかに優れたパワーをもたらすと言われている。この計算能力の向上は、財務モデリング、創薬、サプライチェーンの最適化などの分野に革命を起こすと期待されている。ここ数年、量子コンピュータは大きな進歩を遂げていますが、この分野が成熟するためには多くの課題に直面している。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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