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これまで数千年かけて形成されたと考えられていた月が、実は数時間で形成されたという驚きの研究結果

Credit: Durham University

地球の衛星であるの成り立ちについては、これまでに複数の仮説が提唱されている。1970年代半ば以来、天文学者は、テイアという火星サイズの原始惑星が、約46億年前に地球に衝突してその破片が月になったとするジャイアント・インパクト説が有力と考えてきた。

従来のジャイアント・インパクト説では、月の形成は数千年の歳月をかけてゆっくりと行われたと考えられてきたが、新たにイギリスのダラム大学グラスゴー大学、NASAのエイムズ研究センターの研究者からなるチームは、これまでで最も詳細なスーパーコンピュータによるシミュレーションを行った結果、地球と火星サイズの天体が巨大な衝突を起こすと、わずか数時間で月の形成が行われた可能性がが明らかになったのだ。

これまでの仮説では、テイアが地球に衝突したとき、その衝撃でテイアは何百万もの破片になり、浮遊する瓦礫と化したと考えられていた。テイアの破片は、気化した岩石や若い惑星のマントルから剥離したガスとともに、ゆっくりと円盤に混ざり、その周りに月の溶けた球体が何百万年もかけて合体し、冷却され、月が形成されたのだ。そうすると、月は地球からの物質ではなく、主にテイアから提供された物質によって作られたことになる。しかし、アポロ11号が持ち帰った月の岩石と塵の結果から、月の岩石が地球のマントルに近い組成であることがわかり、この考えは覆された。

研究チームは、これまでの月面調査の結果と矛盾しないシナリオを探すため、衝突の角度や速度、衝突する2つの天体の質量やスピンを変えながら、何百種類もの衝突を高解像度でシミュレーションした。これらの計算は、オープンソースのシミュレーションコード「SPH With Inter-dependent Fine-grained Tasking (SWIFT)」を使用し、ダラム大学の分散型計算機施設(DiRAC)にある「COSMA(Cosmology Machine)」というスーパーコンピューターを用いて、プログラムが実行された。

このようなシミュレーションの解像度は、シミュレーションに使用する粒子の数によって設定される。イギリスのダラム大学の計算宇宙学者Jacob Kegerreis氏によると、巨大な衝突の場合、標準的なシミュレーションの解像度は通常10万から100万の粒子だが、今回の研究では、同氏と仲間の研究者は従来の100倍の解像度となる、最大1億の粒子をモデル化することができたそうだ。 「より大きな望遠鏡を使えば、遠くの惑星や銀河をより高い解像度で撮影して、新しい詳細を発見できるのと同じことです」とKegerreis教授は述べている。

高解像度のシミュレーションを使えば、これまでの研究ではわからなかった特徴を発見することができる。月のような衛星の外層に地球由来の物質が多く含まれていることが、詳細な計算によって明らかになった。

「アポロの宇宙飛行士が持ち帰った月の岩石と地球のマントルの同位体組成が似ているのは、この形成ルートのおかげかもしれません。また、月の地殻の厚さにも観察可能な影響がある可能性があり、それによって起こった衝突の種類をさらに突き止めることができます。」と、研究共著者でダラム大学の物理学者Vincent Ek 氏は声明で述べている。

また、 Ek 氏は次のように述べている。「月の地殻の厚さにも観察可能な影響があるかもしれません。これにより、起こった衝突の種類をさらに突き止めることができます。」

さらに、衛星が地球の重力による「潮汐力」によって引き裂かれると予想されるほど地球に接近した場合でも、衛星は実際に生き残ることができることを発見した。

これまでは、地球に近いところで急速に形成された大きな天体は、地球の重力から生じる潮汐力によって引き裂かれると考えられていたため、月の形成には時間がかかると考えられていたのだ。しかし、今回の新しいシミュレーションでは、そのような天体は潮汐力に耐えられるだけでなく、より高い軌道に押し上げられ、将来そのような力による破壊の脅威から解放される可能性があることが示唆された。

「私たちは、この超高解像度シミュレーションの結果がどうなるのか、まったくわからないままこのプロジェクトに臨みました。ですから、標準的な解像度で間違った答えが得られるという目からウロコの結果に加えて、新しい結果が、うっとりするような月のような衛星を軌道に乗せることができたことは、非常に刺激的でした」と、Kegerreis教授氏はチームの声明で述べている。「これは、月の進化のための出発点の可能性の全く新しい範囲を開くものです。」

研究の要旨

月は、初期の地球への巨大衝突によって放出された破片から形成されたと従来から考えられている。しかし、このようなモデルでは、地球と月の岩石の同位体組成が似ていると同時に、系の角運動量も説明できず、想定される衝突シナリオの詳細について熱い議論が交わされている。シミュレーションの解像度が高い閾値以上では、巨大衝突によって、月と同程度の質量と鉄を含む衛星が直ちに地球のロシュ限界から大きく外れた軌道に乗ることがわかった。最初はロッシュ限界内を通過する衛星でも、部分的に剥離され、その後より広く安定した軌道にトルクをかけられることで、確実に、予測通りに生き残ることができる。さらに、これらの直接形成された衛星の外層は、より冷たい内部の上に溶融し、約60%の原始地球物質で構成されている。このことは、月が地球に似た同位体組成であることと、インパクターに期待される異なるシグネチャとの間の緊張を緩和する可能性がある。また、月の傾斜角を説明するための高度に傾いた軌道の可能性など、月の初期の軌道と進化に関する新しい選択肢が生まれ、月の起源に関するより単純な一段落のシナリオを提供する。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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