Meta AIは、オープンソースのディープラーニングフレームワークとして人気の高いPyTorchのガバナンスを、PyTorch Foundationという独立組織に移行したことを発表した。この団体は、非営利団体であるLinux Foundationの一部として運営され、そのガバナンスボードには、NVIDIA、Meta、Google、Microsoft、Amazon、AMDの代表者が含まれている。
PyTorchフレームワークは、Tesla Autopilotを含む多くの自然言語およびコンピュータビジョンプロジェクトを動かすために、深層学習業界全体でより広く使用されるようになったための今回の動きのようだ。Meta社は、2,400人以上の貢献者と15万以上のプロジェクトがこのフレームワークを基に構築されていることを挙げている。PyTorchを独自の財団に分離することで、PyTorchを開発したMeta社のみが管理する場合に起こりうる利害の衝突を回避することができるようだ。
「PyTorch Foundationは4つの原則を守るよう努力する」と、Meta社はこのニュースを発表したブログ記事で述べている。「オープンであること、中立的なブランディングを維持すること、公正であること、そして強力な技術的アイデンティティを築くことです。財団の主な優先事項の1つは、PyTorchのビジネスと技術的なガバナンスを明確に分離することを維持することです。」
PyTorchプロジェクトは、2016年にPythonによるTorchライブラリの実装として始まり、テンソル計算と、テープレコーダーのように操作を記録し、それを逆再生して勾配を計算するテープベースのオートグラッドで有名になった。
しかし、PyTorchは、これらの機能を、より複雑な機械学習プロジェクトで使用できるコードのビルディングブロックにまとめ、新しいプロジェクトがその都度基礎を作り直す必要がないようにすることで、より簡単にしている。何層にも重なったライブラリやフレームワークが、今日のソフトウェアアプリケーションのほとんどを構成しており、機械学習分野では特にそうだ。
Metaによると、PyTorch Foundationへの移行は、既存のPyTorchのコードに影響を与えず、Metaは今後も独立したフレームワークに投資することを約束するとのことだ。
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