ブラックホールの衝突を利用して、宇宙膨張速度を測定する方法が考案された

画像:Midjourney

ブラックホールは、宇宙で最も謎に包まれた天体だ。大質量の星がその寿命を終えて、信じられないほど密度の高い時空の領域に崩壊した残骸である。その重力は非常に強く、光さえもその表面から逃れることはできない。そのため、ブラックホール自体はこれまで物理学者にとって大きな情報源とはみなされてこなかった。

今回、シカゴ大学の2人の宇宙物理学者は、衝突するブラックホールのペアを用いて、宇宙の膨張速度を測定する方法を考案した。このデータから、宇宙がどのように進化し、何からできていて、どこへ行こうとしているのかを推論する予定とのことだ。

シカゴ大学の天文学者は、宇宙の膨張速度を測定するために、衝突するブラックホールのペアを使用する方法について、新しい方法を提案した。この新しい方法は、「スペクトルサイレン」と呼ばれ、宇宙の初期の時代について教えてくれるかもしれないと、科学者は考えている。

宇宙が膨張していることは1世紀近く前から知られていたが、宇宙がどのくらいの速度で膨張しているのか、ハッブル定数と呼ばれる数値は解明されてこなかった。今回の研究では、ブラックホール衝突の宇宙的な反響を拾う特殊な検出器を用いて、この計算を行う方法を提供するという。

2つのブラックホールが互いに衝突すると、文字通り時空にさざ波を立てて宇宙を横断するほど強力な事象が発生する。そして衝突のたびに出る信号には、そのブラックホールがどれくらいの大きさなのかという情報が含まれている。地球上では、アメリカのレーザー干渉計重力波観測所(LIGO)とイタリアの観測所「Virgo」が、この波紋を拾って天文学者が分析することができる。

この信号は、宇宙を旅している間に宇宙が膨張することで、信号の性質が変わってしまう。その信号がどのように変化したかを測定する方法があれば、宇宙の膨張率を計算することができる。では、元の信号がどのくらい変化したかをどうやって知ることができるのだろうか。

シカゴ大学の天文学者ダニエル・ホルツとホセ・マリア・エスキアガは、この新しい論文の中で、ブラックホール全体に関する新発見の知識を校正ツールとして使えることを提案している。

共著者でシカゴ大学の天体物理学者であるJose María Ezquiaga氏は、「そこで我々は、近くのブラックホールの質量を測定し、その特徴を理解し、さらに遠くを見て、それらの遠いブラックホールがどれだけシフトしているように見えるかを見るのです。そして、これは、宇宙の膨張の尺度を与えてくれます。」と、声明で述べている。

ハッブル定数を計算するために使用される他の方法が、多くの複雑な物理学と天体物理学を含む、星や銀河の物理学の現在の理解に依存しているのに対し、この新しいスペクトルサイレン法は、アインシュタインの確立された重力モデルである一般相対性理論にほとんど依存せず、内蔵の校正ツールとして局所ブラックホールを使用している。この校正は、衝突するブラックホールから得られる重力波のデータが増えれば増えるほど、改善されるだろう。

Daniel Holz氏は、「ブラックホール全体を使うことで、この方法は自分自身を校正することができ、直接的にエラーを特定し、修正することができます」と声明の中で述べている。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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