世界第2位の原油産出国であるサウジアラビアは、そのオイルマネーに物を言わせて時々桁違いのプロジェクトを行ってきたが、またも信じられないような建築プロジェクトを発表した。「The Line(ザ・ライン)」と名付けられたこのプロジェクトは、全長170kmの超高層ビル群で構成され、神奈川県の人口とほぼ同じ約900万人が住む予定とのことだ。
全長170km、高さ500m、幅200mという人類史上最大の構造物
とりあえずまだ計画発表の段階なので、実現可能性がどれ程かは分からない。これほどの巨大プロジェクトとなると、途中で頓挫する可能性もありそうだが(クウェートやドバイの超高層ビルなど)それはひとまず置いておこう。「The Line」は、より大きな「Neom」プロジェクトの一部として、サウジアラビアの北西部、紅海の近くに建設される予定だ。Dezeenによると、このデザインを担当するのは、野心的で人目を引く建築物のデザインで知られるMorphosisであるとのことだ。
このビルは、高さ500m、幅200mのビルになるとのことだ。タワーの両側面は鏡面仕上げということだが、これはこの巨大なビルが周囲に溶け込むための工夫なのだそうだ。
一方、その巨大な内部レイアウトは、公園や学校、住宅を積み上げていくようなもので、どこか一昔前に想像されたスペースコロニーの内部のようにも見える。
「これは、同規模の他の都市と比較した場合、前代未聞のことです。このため、インフラの設置面積を削減し、都市機能においてこれまでにない効率性を実現することができます。また、一年を通して理想的な気候のため、住民は散歩をしながら周囲の自然を楽しむことができます。」とプレスリリースでは述べられている。
「The Lineは、都市デザインに新たなアプローチを提供する。都市機能を垂直に積み重ね、人々はその機能を上下左右にシームレスに移動できるようにするという考え方は、『ゼログラビティ・アーバニズム』と呼ばれています。高層ビルだけでなく、公園や歩行者天国、学校、住宅、職場などを重ね、5分以内に日常のあらゆるニーズに対応できるよう、楽に移動できるようにする考え方です。」
さらに、この計画は100%再生可能なエネルギーで運営されるという野心的なものだ。現段階では、再生可能エネルギーの詳細については明らかにされていないが、この地域の豊富な日照量から、ソーラーパネルを意味すると思われる。さらに、レンダリング画像には、屋上に緑が描かれている。
The Lineの計画は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子によって公開されたもので、建設時期や完成予定日は発表されていない。
サウジアラビアの皇太子は、化石燃料のない未来を見据えて、石油に依存した自国の経済を観光立国に転換することに強い意欲を持っているとのことだ。そのための、数々の野心的なプロジェクトがすでに発表されている。
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