Googleは5月11日(現地時間)に開催した開発者向けイベント「Google I/O 2022」の基調講演において、同社提供の地図サービス「Google マップ」に「Immersive View(イマーシブビュー:没入型ビュー)」と呼ばれる新機能を追加することを発表した。2022年後半から、ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京に順次展開予定となり、その後他の都市にも展開していくとのことだ。
- GoogleがGoogleマップの新機能「Immersive View」を発表。
- Immersive Viewによって、現地に到着する前に目的地の外観や雰囲気を疑似体験する事
- 2022年後半から順次展開予定
膨大な写真と航空写真を組み合わせAIで町並みを再現
「Immersive View」は、何十億にも及ぶストリートビュー画像と航空写真を融合することで、その場所を忠実に、かつ立体的に表現した3Dマップだ。没入感のあるマップ表現が可能となったことで、「現地に到着する前に目的地の外観や雰囲気を疑似体験する事」が出来る。
「Immersive View」では、道路に車が走り、鳥が空を飛んでいる様子を見ることが出来る。雲の動きも描写され、地上に影を落とす様子まで再現されている。また天気がシミュレートされ、水にはカメラによって変化するリアルな反射も見られる。そしてロンドンの大観覧車は回転するアニメーション付きだ。それはまるで、グラフィックがリアルになった都市開発ゲームのシムシティのようだ。
そのほか、「Google マップ」に搭載された、空港や駅といった屋内・屋外エリアで実際の景色を使ってナビゲートしてくれるAR(拡張現実)機能「Live View(ライブビュー)」も拡張された。
また、開発者に向けて「ARCore Geospatial API」を無料で公開し、ARをアプリなどに組み込めるようになっている。例えば、電動自転車のシェアリングサービスを提供している「Lime」は、ロンドン、パリ、テルアビブなどの都市で、レンタルアプリに「ライブビュー」を試験的に組み込み、利用者が歩行者の妨げにならないよう駐車する支援を行なっている。また、(株)NTTドコモとcuriosity(株)は共同で、実際に東京にあるランドマークを前にして巨大なドラゴンに挑むことができるゲームを開発中であるという。
Googleによると、ARは「Google ストリートビュー」が利用できる場所であればどこでも、ARCore開発者が利用できるようになるとのこと。「Google マップ」が蓄積する多くの地図データを有するGoogleが、ARアプリの増加に大きな影響を与えることが期待される。
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