GPU関連のスペック

▼搭載GPU（グラフィックスコア）
グラフィックカードが搭載するGPUの名称・型番を表す。「GeForce GTX 3080」や「Radeon RX 6700」など、NVIDIAやAMDのGPUメーカーの製品名で記載される。

▼CUDAコア/ストリームプロセッサ（SM）
GPUに搭載され、同時に複数の計算を行うように設計されたCPUコアに相当する演算器のこと。同じ設計（アーキテクチャ）を採用するGPU同士であれば、これが多いほど高性能になる。演算器は、NVIDIA製品ではCUDAコア、AMD製品ではSM（Stream Processor：ストリームプロセッサ）と呼ばれる。

また、その他NVIDIAの一部製品には、2022年7月現在では以下の演算器も搭載されている。

 ・RTコア … 一部のNVIDIA製GPUに搭載されたレイトレーシング処理専用の演算器。
 ・Tensorコア … 一部のNVIDIA製GPUに搭載された深層学習用の演算器。

▼GPUコアクロック
GPUコアの動作周波数となる。クロックは高いほど性能が向上するため、同じGPUを搭載したグラフィックカードなら、搭載GPUの動作クロックの高い方が高性能だ。ただし、GPUコアが異なる場合、アーキテクチャやCUDAコア/SM数の違いによってクロック当たりの処理性能が異なるため、コアクロックの高低のみで性能を比較することはできない。

現代のGPUは動作状況に応じてGPUコアクロックを引き上げる「ブースト動作」に対応しており、GPUコアクロックには複数の数値が表記されている場合があり、AMDとNVIDIAでは意味が異なっている。

 ○NVIDIA製GPUのコアクロック
 ・ベースクロック … ブースト動作が行われていない場合の最大動作クロック
 ・ブーストクロック … 標準的なゲームを実行中の平均動作クロック

 ○AMD製GPUのコアクロック
 ・ベースクロック … ブースト動作が行われていない場合の最大動作クロック
 ・ゲームクロック … 標準的なゲームを実行中の平均動作クロック
 ・ブーストクロック … ブースト動作時の最大動作クロック

ビデオメモリ関連のスペック

グラフィックカードには、GPU専用のメモリであるビデオメモリ（VRAM）が搭載されている。CPUにとってのメインメモリ同様、GPUが性能を発揮するためには、十分な速度と容量のビデオメモリが必要となる。

▼メモリ規格（GDDR6/GDDR5/HBM2など）
グラフィックカードに搭載されたビデオメモリの規格となる。GDDR6やGDDR5、HBM2などの種類があり、それぞれに技術的な特徴はあるが、重要なのはメモリクロックやメモリインターフェイスの仕様となるため、規格のみで比較することはあまりない。

▼メモリクロック（メモリスピード）
ビデオメモリのデータ転送レートを示すスペックで、ビデオメモリが1秒間にデータ転送を行える回数を「Hz」や「bps」単位で表記している。メモリクロック（データ転送レート）が高いほど高速に動作するメモリと言える。

▼メモリインターフェイス（メモリバス幅）
ビデオメモリが1回のデータ転送で送れるデータ量を示すスペックで、単位には「bit」が用いられている。数字が大きいほど1回のデータ転送で送れるデータ量が増えるため、結果としてより高速なデータ転送が可能となる。

▼メモリ帯域幅
ビデオメモリが1秒間に転送できるデータ量を示すスペックで、単位には「GB/s」が用いられる。メモリ帯域幅は「メモリクロック」に「メモリインターフェイス」を掛けた数値であり、これがメモリの速度を示すスペックで、数字が大きい方が高性能なビデオメモリであると言える。

例：21Gbps x 384bit（48Byte）= 1008GB/s（1Byte=8bit）

▼メモリ容量
グラフィックカードに搭載されたビデオメモリの容量。ビデオメモリは足りている限りは性能を容量が大きくても性能へのメリットはほぼないが、不足するとGPUは十分な性能を発揮できず致命的な性能低下を招くため、ビデオメモリ関連で最も重要なスペックであると言っても過言ではない。

例として、以下に最新のGPUである、NVIDIAのGeForce 3090 TiとAMD Radeon RX6950 XTのスペックを掲載する。