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Snapdragon 8 Gen 3はバッテリー持続時間ではA17 Proに及ばないことが明らかになった

TechDroiderが実施した最新のフラッグシップスマートフォンのバッテリー消費テストにおいて、QualcommのSnapdragon 8 Gen 3はAppleのA17 Proには未だ電力効率の面で及ばず、残念ながら敗れたことが明らかになった。この結果は、A17 Pro登場以降TSMCの3nmプロセスは失敗だった等の声があったが、3nmプロセスの利点である“優れた電力効率”の面を示す1つの結果と言えるだろう。

ただし、性能面ではSnapdragon 8 Gen 3は、製造プロセスがA17 Proよりも一世代遅れているにも関わらず、以前のマルチコア性能テストではAppleの3nm SoCを上回る結果を示しており、これまでモバイルチップの絶対的な王者として君臨してきたAppleの牙城が脅かされてきている事も興味深い点だ。

TechDroiderは、iPhone 15 Pro Max、Xiaomi 14 Pro、Galaxy S23 Ultra、Pixel 8 Pro、Xiaomi 13 Ultra、OnePlus 11で比較試験を行っている。iPhone 15 Pro MaxとXiaomi 14 Proの両方が最新・最高クラスのモバイルチップセットを搭載する物として注目のデバイスであり、両機種は120Hzのリフレッシュレートオプションを有効にしてテストされたが、iPhone 15 Pro MaxとXiaomi 14 Proは変更できない異なる解像度で動作している点には注意が必要である。

Xiaomi 14 Proは4,880mAhのやや大きなバッテリーを搭載している一方で、iPhone 15 Pro Maxは4,441mAhのバッテリーを搭載している。この差にもかかわらず、Appleの最上位モデルがテストされた6台の中で最も長持ちするデバイスとなり、11時間54分の持続時間で第1位を獲得し、摂氏44.2度と、安定した温度で動作していた。第2位はSnapdragon 8 Gen 3を搭載したXiaomi 14 Proで、10時間24分持続し摂氏47度だった。

Galaxy S23 UltraはSnapdragon 8 Gen 2と5,000mAhのバッテリーを搭載し、10時間5分の持続時間でSnapdragon 8 Gen 3に肉薄している。これはQualcommのチップセットが以前と同じくらい効率的であることを示しているが、A17 Proほどではない。Snapdragon 8 Gen 3とSnapdragon 8 Gen 2の間の小さな差は、Qualcommが最新のSoCにより多くのワット数を投入して高性能を実現した結果、効率性能が低下し、温度が上昇した可能性がある。

テストされたフラッグシップの中にDimensity 9300を搭載したものがなく、このチップセットはSnapdragon 8 Gen 3と同じN4P製造プロセスで大量生産されているユニークなCPUクラスターを持っているため、その結果は興味深いものになるであろう。

Pixel 8 Proは8時間58分しかバッテリーがもたなかったが、発熱が懸念されたTensor G3が意外なことに摂氏41度しか記録していなかった点は興味深い。

テストの全結果は以下の動画でご覧頂ける:

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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