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イスラエルの防空システム「アイアンドーム」はハマスの攻撃を防げたのか?

(Credit: Rafael Advanced Defense Systems )

10月7日、イスラム系武装組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃が行われ、イスラエルだけでも900人の民間人を含む犠牲者が出た。多くの尊い命が失われたが、イスラエルの誇る「アイアンドーム」がなければ、この数は更に多くなっていたことが想定される。

世界最強レベルと言われるイスラエルの防空システム「アイアンドーム」は、2011年から運用されている。Rafael Advanced Defense Systemsによって製造されたアイアンドームは、その精度を向上させるため、10年以上にわたって何度もアップグレードを繰り返してきた。イスラエルとパレスチナの紛争が勃発した2021年には、4500発以上のロケット弾が国境を越えてイスラエルに撃ち込まれた。しかし、当局はこれらのロケットの90%は打ち落とされたと主張している。

アイアンドームの仕組み

アイアンドームは、ミサイル、ロケット、無人航空機(UAV)など、飛来する短距離からの航空的脅威からイスラエル本土を守るように設計されている。これは、ミサイルが射程距離70km内にある間に空中で迎撃することで実現する。

システムは3つのコンポーネントで構成されている。1つ目はマルチミッションレーダーで、飛来する脅威とそのルートを探知する。このレーダーはこの情報をコマンド・アンド・コントロール・センターに伝え、脅威が戦略的に重要な場所や人の住む場所に着陸するかどうかを判断するために軌道を計算する。そうでなければ、脅威は通過することができる。

しかし、脅威によるリスクが高い場合、司令部は発射機にタミール・ミサイルの発射を命じる。近接信管爆破弾頭を装備したミサイルは、空中で脅威を迎撃し、無力化する。

イスラエルはアイアンドーム・システムの砲台を10基以上配備しており、各砲台は4基で構成されている。各ランチャーには20発のタミール・ミサイルが搭載されており、再装填が可能である。

ハマスがアイアンドームを出し抜いた?

ハマスがイスラエル領土を攻撃するために配備しているのは、粗雑に開発されたミサイルである。長年にわたり、テルアビブやエルサレムなどの都市を狙えるよう、ミサイルの射程距離を伸ばす技術を開発してきた。しかし、その試みを成功させるには、アイアンドームの防御力を克服する必要がある。

以前の攻撃では、ハマスが数千発のミサイルを長期間にわたって配備したが、そのほとんどが打ち落とされた。10月7日、ハマスの組織的な攻撃は、20分の間に発射された5000発以上のミサイルの弾幕を送った。

アイアンドームがミサイルを撃ち落とす動画がソーシャルメディアに出回った。しかし、これらのミサイルのうち何発が迎撃されず、戦略上重要な場所に到達したのかは不明である。

イスラエル国防省は、2011年の初期配備以来、アイアンドームをアップグレードしており、2021年には、多数のミサイルからなる一斉射撃に対応できるよう強化した。現時点では、システムが今回の規模の一斉射撃に対応できるかどうかはわからない。

また、今回のハマスによるミサイル攻撃は陽動であり、戦闘員がイスラエル領土内に侵入するための目くらましであった事も指摘されている

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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