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ヴェネツィアの運河が謎の緑色に染まる

イタリア・ヴェネツィアの運河の美しい景色は世界遺産で有名なものだが、この景色が一変する事態が起こった。運河の一角が突然蛍光グリーンの化学的な色に変化したのだ。

Twitter上では、運河が一夜にして緑色になった原因について議論が交わされており、エコ・テロリストや藻の繁殖によるものではないかと推測された。

「今朝、ヴェネチアの大運河に燐光のような緑色の液体が出現し、リアルト橋付近の一部の住民から報告がありました」と、イタリア・ヴェネト州のLuca Zaia大統領はツイートした。県知事は、「液体の起源を調査するため、警察との緊急会議を招集した」とツイートしている。

当初は緑色だった水面が、数時間後にはその範囲を広げ、美しい運河はシュールな光景に包まれた。

この緑色はフルオレセインという化合物によるもので、眼科の検査や水漏れの特定など水インフラの研究に使われるものであることが、捜査当局によって確認された。

「生態毒性分析の結果、分析されたサンプルに毒性は認められなかった」と彼らは国民を安心させた。

捜査当局はCNNに対し、化学物質がどのようにして運河に流れ着いたかは不明だが、事故ではないようだと述べた。警察は、環境活動家のいたずらと断定しておらず、サンプルのさらなる検査結果は後日発表される予定だ。

運河の変色は以前にもあった

Met Museumによると、1968年6月19日、アルゼンチンのアーティスト、García Uriburuは、第34回ヴェネツィア・ビエンナーレの際に運河の水を緑色に染めたという。これは、エコロジーが文化の重要な一部であることを認識させ、自然と文明の関係に注目させるために行われたものだ。

染料は干潮になると徐々に消えた。彼は、環境的に無害な蛍光染料「フルオレセイン」を使用した。今回の事件と同じ物質だ。

イタリアの日刊紙『La Repubblica』によると、これほどまでに広範囲が鮮やかな緑色に変色するには、1kg以上のフルオレセインが使用された可能性があるとのことだ。これはまさに“事件”であり、原因の究明が待たれる。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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