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AI競争で覇権を握るのはOpenAIでもGoogleでもないとGoogleのエンジニアは考えている

OpenAIとGoogleは、人工知能(AI)技術に関してトップに立つために戦っているかもしれないが、Googleの上級エンジニアが書いたリークされた内部文書によると、最終的な勝者はこの両者ではないかも知れないという。この文書は数カ月前からシリコンバレーで出回っており、最近になってコンサルティング会社のSemi-Analysisが公表した。

OpenAIは昨年、会話型AIチャットボット「ChatGPT」が世界的な話題となり、一躍有名になった。そして検索エンジンの巨人であるGoogleは、10年以上前からAI領域に取り組んでおり、この業界のリーダーであると目されていたが、最近はOpenAIに追いつくために奔走する様が報じられている。それ以来、各プレイヤーが覇権を狙うAIの軍拡競争が始まっている。

しかし、GoogleのエンジニアであるLuke Sernau氏は、このままこの道を突き進んでも、最終的にどちらの企業もトップに立つことはできないと考えている。Sernau氏は4月にこの考えを流布すべく、社内で文書を公開していた。

Sernau氏によれば、GoogleはOpenAIの次の動きを見守ってきた。これらの企業が規制の影響などで揉める一方で、先行しているのはオープンソースのAIである。Googleのエンジニアは、技術の進化を示す例として、スマートフォンで動作する大規模な言語モデルや、ノートパソコンで一晩で微調整できるパーソナルAIを挙げた。

Sernau氏は、民間企業が開発したAIモデルはまだ優位性を保っているが、長くは続かないだろうと書いている。オープンソースのモデルは、何十億ドルも費やしている企業と同じ結果を100ドルで達成できるところまで来ている。企業では数カ月で新しいイテレーションが生まれるとしたら、オープンソースの技術は数週間で同じことをやってのけたのだ。

Sernau氏は、GoogleやOpenAIが使っている巨大なモデルが、彼らの進歩を遅らせている主な原因であるとしている。オープンソースコミュニティは、MetaからもたらされたLLaMAに出会い、そこに可能性を見出した。この方がずっと小さく、作業しやすかったのだ。

Sernau氏は、Googleがより小型のモデルにシフトし、オープンソースコミュニティから学ぶ必要性を強調した。

結局、より優れたAIモデルが無料で利用できるようになれば、クライアントはGoogleやOpenAIのにわざわざお金を払って彼らの劣悪なモデルを使うようになる事はないだろうと言う事は自明のことだ。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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