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風はどこから来るのか?

風はなぜ起こるのか?

その答えは、太陽が地球上のある場所を他の場所より熱くし、その熱のムラが生じる事で、風は起こるのだ。つまり、風力発電は太陽エネルギーの一種とも言える。

風はすべて同じようにつくられる

地球上の風の仕組みは、地球規模の貿易風やジェット気流、局地的な海風などさまざまだが、いずれも最終的には、地球が太陽によって不均等に熱せられることに依存している。

日中、地面が熱せられ、非常に高温になると、熱伝導というプロセスでその上の空気を温める。すると、空気は膨張し、より大きな体積を占めるようになる。「理想気体の法則」と呼ばれるもので、気温に比例して体積が大きくなる。

つまり、加熱された空気は密度が低くなるのだ。これがすべての空気に起きれば、風は発生せず、空気層全体が少し厚くなるだけだ。

しかし、ある場所の空気がそうなっても、その周囲がそうならなければ、加熱された空気は上昇する。

これが、熱気球が空中で浮力を維持できる原理だ。気球内の空気と、中に入っているかごや人の重さの合計は、気球の外の同じ体積の冷たい空気の重さとほぼ同じでなければならないのだ。

負荷や綱がなければ、気球は冷めるまで上向きに加速し続ける。

このように大量の加熱された空気が地表から離れて上昇すると、地表付近の他の空気が代わりに横向きに流れ込んでくる必要がある。このような現象が起こる領域が広ければ広いほど、すべての空気を所定の位置に運ぶために、水平方向の風を強くする必要があるのだ。

この現象により、海岸付近では日中に強い海風が吹くことがある。これは、暖められた大陸の空気が上昇するときに、それに代わって冷たい海の空気が流れ込むからである。

同じような現象が何日も続くと、モンスーン(季節風)になる。

その結果、季節ごとに偏西風が変わり、インドやオーストラリアなどの熱帯地方では、暖かい季節に雨が降ることが多くなる。

非常に大きな風システムもある

地球上で最も大きな風系は、大気の大循環と呼ばれるものである。貿易風や東風、中緯度の偏西風、ロアリングフォーティーズ(Roaring Forties)などである。

これらの大風系は、熱帯地方が極地方よりも多くの太陽を浴びて、かなり暖かくなるために起こる。暖かい空気は自然に上昇し、極地に流れようとし、極地の空気は熱帯に降りてこようとする。

もちろん、そのような長旅をするには長い時間(何日も)がかかる。一方、地球は常に自転しているので、直線的に移動しようとするものは、徐々に曲がっていくように見える。

極地を流れる風は次第に東に向かい、中緯度の偏西風となる(偏西風は「西から」の意)。

熱帯に向かう低気圧は西に向きを変え、東風となる。中緯度の偏西風は高度が高くなると非常に強くなり、場所によっては時速300kmに達することもあるそうだ。

地球上のすべての風をインタラクティブに視覚化したものが、こちらでご覧になれる。


本記事は、Steven Sherwood氏によって執筆され、The Conversationに掲載された記事「Curious Kids: where does wind actually come from?」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。

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