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SK hynix、9.6Gbpsのデータレートを実現した LPDDR5T モバイル DRAMを発表

SK hynixは、モバイル機器向けの世界最速のメモリソリューションと言われるLPDDR5T DRAMを開発した事を発表した。

新製品のLPDDR5Tは、2022年11月に発表された前世代のLPDDR5X1より13%速い9.6Gbpsのデータレートで動作する。製品の特徴である最高速度を強調するため、SK hynixは規格名LPDDR5の末尾に「Turbo」を追加している。

JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)が定めた1.01~1.12Vの超低電圧領域で動作するLPDDR5Tは、最高速だけでなく超低消費電力も特長とする製品だ。

プレスリリースの中でSK hynixは「2022年11月に8.5Gbps仕様のモバイルDRAMであるLPDDR5Xが市場に導入された後、わずか2ヶ月で技術を新しい限界に押し上げました。顧客のニーズを満たす様々な記憶容量の製品を提供することで、モバイルDRAM市場でのリーダーシップを強固にします。」と、述べている。

SK hynixは、複数のLPDDR5Tチップを1つのパッケージにまとめた16GBマルチチップパッケージのサンプルを顧客に提供したとのことだ。このパッケージ製品は1秒間に77GBのデータを処理することができ、これはFHD(フルハイビジョン)映画15本を1秒間で転送することに相当する。

また、SK hynixは、10nm技術の第4世代である1anmを使用したLPDDR5Tの量産を今年下半期に開始する予定である。

一方、SK hynixは今回もHKMG(High-K Metal Gate)2プロセスを最新製品に統合して最高の性能を実現し、技術格差を大幅に拡大したLPDDR5Tが“次世代LPDDR6の開発前に市場をリードする”と見込んでいる。

LPDDR5T FR
(Credit: SK hynix)

IT業界では、5Gスマートフォン市場のさらなる拡大に伴い、高度なスペックを持つメモリーチップの需要が高まると予測している。このような流れの中で、SK hynixはLPDDR5Tの用途がスマートフォンにとどまらず、人工知能(AI)、機械学習、拡張/仮想現実(AR/VR)へと拡大すると予想している。

SK hynixのDRAM製品企画責任者であるSungsoo Ryu氏は、「LPDDR5Tの開発により、超高性能製品に対する顧客の要望を満たすことができました。次世代半導体市場をリードし、IT界へのゲームチェンジャーになるために、今後も技術開発に取り組んでいく。」と述べている。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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