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次世代トランジスタに繋がる2次元材料開発の画期的な発見

2023 1/19
テクノロジー
2023年1月19日
(Credit: MIT News.)

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半導体の微細化は年々困難さを増しており、かつて提唱された「ムーアの法則」も早晩壁に突き当たると言われている。

この打開策の1つが、単層材料として知られる2次元材料だ。この2次元シートは、原子1個分の薄さしかない完璧な結晶で、非常にデリケートである。ナノメートルスケールでは、シリコンよりもはるかに効率的に電子を伝導させることができるのだ。

マサチューセッツ工科大学を初めとする国際的研究者チームは、2次元材料を用いて、ムーアの法則の限界を超え、トランジスタの微細化を更に推し進める可能性を切り拓く可能性を持った新たな方法を開発した。

研究チームは、「非エピタキシャル単結晶成長」と呼ばれる新しい方法を用いて、工業用シリコンウエハー上に2次元材料を成長させる実験を行った。その結果、欠陥のない2次元材料が得られたと報告している。

「私たちは、2次元材料の運動制御を容易にする幾何学的拘束構造を設計し、高品質な2次元材料の成長におけるすべての壮大な課題を解決しました。」と、ワシントン大学セントルイス校マッケルビー工学部機械工学・材料科学助教授のSang-Hoon Bae氏は述べている。

具体的には、研究チームは、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)と呼ばれる2次元から、機能的なトランジスタを開発した。チームは、新しい材料を作るために、ウェハースケールでの単結晶性の確保、成長中の厚みの不規則性の防止、垂直ヘテロ構造、という非常に難しい3つの課題を克服しなければならなかった。

これまでにも、2次元材料を用いてシリコンウエハー上にトランジスタを開発する試みは行われてきた。しかし、このシリコンウエハーには、2次元材料と一緒に利用できるような他の材料の足場がないため、このような小さなスケールで2次元材料を利用することはできないという問題があった。そのため、シリコン上に2次元材料を成長させようとすると、通常、雑然としたパッチワークのような結晶が生成される。このような結晶が粒界を形成し、導電性を大きく低下させるのである。

「私たちは、2次元材料の運動制御を容易にする幾何学的拘束構造を設計し、高品質な2次元材料の成長におけるすべての壮大な課題を解決しました。促進された運動制御のおかげで、我々は、より短い成長時間のために自己定義された播種を成長させるだけでよかったのです。」と、Bae氏は述べている。

これまで、2次元材料を作製する場合、研究者は通常、タマネギの層を剥がすように、バルク材料から原子レベルの薄片を慎重に剥離する手作業プロセスを採用している。

しかし、バルク材料の多くは多結晶体であり、複数の結晶がランダムな向きに成長している。ある結晶と別の結晶が接する「粒界」は、電気的なバリアとして機能する。ある結晶の中を流れる電子は、異なる配向の結晶に出会うと突然止まってしまい、材料の導電性が損なわれてしまうのだ。2次元の薄片を剥離した後でも、研究者は薄片の中から「単結晶」領域を探し出さなければならないが、これは面倒で時間のかかる作業であり、産業規模での応用は難しい。

サファイアは原子が六角形に並んでいるため、2次元材料が同じ単結晶の向きに集まるよう促すことができる。だが、半導体の加工にはシリコンを用いる事が必要なのだ。

「シリコン上に単結晶の2次元材料を成長させることは、ほとんど不可能と考えられてきました。ですが今、私たちは、それが可能であることを示しました。そして、そのコツは、粒界の形成を防ぐことです。」と、MIT機械工学部准教授のJeehwan Kim氏は説明する。

新しい「非エピタキシャル単結晶成長法」は、2次元材料の薄片を剥がしたり探したりする必要はない。従来の蒸着法を用いて、シリコンウエハー上に原子を送り込む。この原子がやがて沈殿して核となり、2次元の結晶方位に成長する。この「核」は、そのままではウエハー上でランダムな方向に成長する。

だが、研究チームは、核(成長する結晶)を誘導して、ウエハー上に単結晶領域を形成する方法を発見した。この方法では、二酸化ケイ素の小さなポケットのパターンでシリコンウエハーをコーティングする「マスキング」手法を用いた。このポケットのひとつひとつが、核(結晶の種)を捕獲し、2次元材料を形成するように設計されている。

この方法を用いて、純粋なフレーク状の結晶と同等の電気的性能を持つTMDトランジスタを開発することができた。

「これまで、2次元材料をシリコンウエハー上で単結晶にする方法はなく、次世代プロセッサ用の2次元材料の開発はほとんど諦められていました。ですが今、この問題を完全に解決し、数ナノメートルより小さなデバイスを作ることができるようになりました。これは、ムーアの法則のパラダイムを変えるでしょう。」と、Kim氏は述べている。


論文

  • Nature: Non-epitaxial single-crystal 2D material growth by geometric confinement

参考文献

  • MIT: MIT engineers grow “perfect” atom-thin materials on industrial silicon wafers
  • Washington University in St.LouisTwo technical breakthroughs make high-quality 2D materials possible

研究の要旨

2次元(2D)材料とそのヘテロ構造は、次世代エレクトロニクスへの道筋を示す有望な材料である。しかしながら、2次元エレクトロニクスは、主に3つの重要な課題、すなわち、i) 2次元材料のレイヤーバイレイヤー成長の精密な速度論的制御、ii) 成長中の単一ドメインの維持、iii) ウエハースケールでの層数および結晶性の制御、によって、実用化には至っていない。ここでは、これら3つの課題に同時に取り組み、任意の基板上にウエハースケールの単一ドメイン2次元単層膜アレイとそのヘテロ構造を得ることができる決定論的閉じ込め成長技術を紹介する。我々は、2インチ基板上のSiO2 マスクをパターニングし、選択的な成長領域を定義することによって、最初の核のセットを幾何学的に閉じ込めることに成功した。マイクロメートルスケールのSiO2 トレンチでの成長時間を大幅に短縮することにより、エピタキシャルシーディングを必要とせず、第2の核のセットを導入する前に第1の核のセットを短時間成長させてトレンチを埋め、任意の基板上のウエハースケール単ドメイン単層WSe2アレイを得ることができた。さらに、同じ原理で遷移金属ダイカルコゲナイドを成長させると、単一ドメインのMoS2/WSe2ヘテロ構造を形成することができる。この成果は、2次元材料が産業界で活躍するための強力な基盤となるものだ。

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