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AirPods Proが、はるかに高価な補聴器と同じように機能する可能性が研究から明らかに

日本における難聴者数は1430万人と推定されており、人口に対する比率は11.3%で世界で3番目に多いと報告されているが、一方で、補聴器の普及率は、難聴者人口の13.5%のみとなっており、欧米諸国の普及率が30~40%であることに比べ、非常に低い水準となっている。これには、1つに国からの補助体制が諸外国に比較して不十分であることから、高額な補聴器に手が出にくいという事が理由の1つとしてあるが、この度、低価格の補聴器を研究している科学者チームが、AppleのAirPodsが補聴器のような機能を果たすのかどうか評価したところ、驚くほどよく機能することが分かった。

補聴器は高価であるだけでなく、通常、補聴器を手に入れるには、耳鼻咽喉科医による診断、そして補聴器の調整が適切に行われているかどうかのフォローアップが必要となる

今回、台北栄民総医院の研究者たちは、難聴者の生活の質を向上させる方法を探っていた結果、Apple(アップル)のAirPodsにたどり着いた。iPhoneとAirPodsシリーズの連携では、2016年からiPhoneをマイクとして機能させ、ユーザーのイヤホン(またはBeatsヘッドホン)に拡大した音を中継する「Live Listen」という機能が搭載されているが、これが非常に有効だと言うことだ。

実験では、1,500米ドルのベーシックな補聴器、1万ドルのプレミアム補聴器、AirPods 2、ノイズキャンセリング機能を備えたイヤホンのAirPods Proが比較された。4つのデバイスは、軽度から中等度の難聴を持つ21人の被験者に、研究者が短い文章を読み上げ、それをそのまま繰り返してもらうという方法でテストされた。

AirPods Proは、静かな環境ではベーシック補聴器と同等の性能を発揮し、プレミアム補聴器にはやや劣る結果となった。AirPods 2の性能はそれほど高くはなかったが、補聴器無しで聞くよりもはっきりと聞き取ることができたという。また、騒がしい環境では、AirPods Proはプレミアム補聴器と同等の性能を発揮したが、それは騒音が横方向から聞こえてきた場合のみとのことだ。正面からの騒音の場合、AirPods 2と同様に、被験者の聴力を向上させることはできなかった。

この2つのシナリオの違いについて、共同研究者のYing-Hui Lai氏は「2つの理由が考えられます。音波の伝わる軌道と、高級補聴器が持つ高度な信号処理アルゴリズムが関係しているのかもしれません。この発見は、特定の方向により敏感な補聴器や個人用音響増幅器を設計する技術者を刺激することが期待されます。」 と述べている。

AirPods 2の小売価格は19,800円、AirPods Proは39,800円で、このイヤホンは従来の補聴器よりはるかに安い選択肢ではあるが、医療専門家が処方する補聴器の代わりとして適切とは言い切れない。しかし、科学者たちは、今回の研究を概念的な実証としてとらえており、さらなる技術の進歩により、将来的にワイヤレスイヤホンがこの分野で何らかの役割を果たすことになると考えている。

「世界的に、ワイヤレスイヤホン市場は急成長しています。一部の企業は、音の増幅機能を持つイヤホンの設計の可能性を探ることに関心を持っています。私たちの研究は、このアイデアがもっともらしいものであることを証明しています。」と Lai氏は述べている。

研究の要旨

補聴器は高価であり、社会的スティグマのために難聴者の使用率が低いことから、個人用音響増幅製品(PSAP)は十分な聴覚補償と高いアクセス性を備えた代替品として機能する可能性がある。本研究では、補聴器とPSAPとして選択したスマートフォン付属イヤホン、特にAirPodsの電気音響特性を調べ、軽度から中等度の難聴成人を対象に、それぞれの聴覚補助機器を用いて補聴した場合の聴力性能を比較した。その結果、AirPods ProはPSAPの5つの基準のうち4つを満たしていることがわかった。また、AirPods Proと補聴器の間で、静かな場所での音声認識に関する有意差は認められず、バックグラウンドがある場合でも認められなかった。AirPods Proは、軽度から中等度の難聴の成人のための聴覚補助機器となる可能性がある。他のスマートフォンに同梱されているイヤホンをPSAPとして使用する場合の安全性や実現可能性については、さらなる研究が必要である。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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