パリス・ヒルトン(Paris Hilton)氏は、16歳の時に、両親から更生のために寄宿学校である「プロヴォ・キャニオン・スクール」に入学させられた過去があり、2020年にはこの学校で精神的・身体的な虐待を受けた経験があると告白していた。だが、彼女は今回「ニューヨークタイムズ」紙の取材に応じ、そこで性的虐待も受けていたことを涙ながらに語っている。彼女は、この業界が抱えた闇を告発するために、ここ数年政策の見直しを提唱してきた。
- The New York Times: CAN YOU PUNISH A CHILD’S MENTAL HEALTH PROBLEMS AWAY?
アメリカでは、「問題のある10代」のメンタルヘルス上の問題や、行動を更生させるための、治療センターや寄宿学校、ブートキャンプ、宗教施設などが数多く存在し、毎年数十億ドル(数千億円)もの公的資金が提供されている。この業界は、虐待の報告や改心療法など、虐待疑惑が数多く報告されているにもかかわらず、今日まで何事もないかのように運営が続けられている。専門家はしばしばこれらの施設を刑務所と比較し、この業界が子供への対応に厳格で時代遅れの戦略を頻繁に用いていることを指摘している。
カリフォルニア州のアダム・シフ議員は以前、2000年から2015年の間に、問題を抱えたティーン向けの施設で、絞殺、飢餓、自殺といった原因で80人以上の子どもが死亡したと推定していると報告していた。
ヒルトン氏自身、1990年代に、プロヴォ・キャニオン・スクール(自称「集中精神医学青少年居住施設」)に両親によって送られた経験があるが、そこで多くの精神的・身体的な虐待を受けたと告白している。
「私は首を絞められ、顔を叩かれ、男性スタッフにシャワーを浴びているところを見られ、下品な名前で呼ばれ、診断もないのに薬を飲まされ、適切な教育を受けられず、傷だらけで血まみれの部屋に独房に入れられ、その他にもいろいろなことをされました」ヒルトン氏は語っていた。
同氏は業界の改善を目指し、10代の犠牲者を救うための法案を支援するために多くの活動を行っていた。そして、今回この支援の一環としてニューヨークタイムズ紙のインタビューに応じ、これまで明かさなかった自身が受けた性的虐待の過去を明らかにし、業界の闇をさらけ出したわけだ。
ヒルトン氏は、ユタ州の寄宿学校プロヴォ・キャニオン・スクールにいたとき、医師ではない男性職員が夜中に彼女を起こして個室に連れ込み、「子宮頸部検査」を強要したと主張している。
「夜中の3時か4時頃にたたき起こされて、個室に連れて行かれました。睡眠不足と大量の薬で、何が起きているのか理解できませんでした。私はパッド入りのテーブルに横たわり、足を広げ、子宮頸部の検査を受けるよう強制されました。」と彼女はツイートしている。
「彼らが何をしていたのかはわからないけど、間違いなく医者じゃないし、本当に怖かったわ。今、大人になって振り返ってみると、あれは間違いなく性的虐待だった。」と、彼女はニューヨークタイムズ紙に語っている。
「私は暴力を受け、これを書きながら泣いています。誰も、特に子どもは、性的虐待を受けるべきではありませんから。私の子供時代は奪われ、このようなことがまだ他の罪のない子供たちに起こっていることに胸が痛むのです」。とヒルトン氏は語っている。