PlayerUnknownという名前をご存じだろうか。恐らく、この名前よりも『PUBG』もしくは、『PlayerUnknown’s Battlegrounds』の方がご存じの方も多いのではないだろうか。PlayerUnknownは、PUBGの開発者のハンドルネームで、本名はBrendan Greeneであるが、同氏が、コードネーム「Artemis」と呼ばれる最新のゲームプロジェクトについて、詳細を発表した。このプロジェクトは、何十万人ものプレイヤーが好きなものを作ったり遊べる、オープンソースの地球サイズの仮想環境を目指しているという。
なんとも壮大な試みだが、さらにGreene氏は、ユーザーが作ったものをマネタイズできるようにしたいと考えているようだ。Hit Pointsニュースレター Nathan Brown氏とのインタビューで、Greene氏は、「私たちは、経済を持つべきデジタルな場所を構築しており、そこにはシステムが必要です。そして、デジタルの場から価値を引き出せるようにすべきだと信じています。それはインターネットのように、お金を稼ぐことができるものでなければならないのです。」と述べている。そこには、NFTもからんでくるようだ。実質的に、ユーザーが作成したものは全てNFTになるという。
同じインタビューでGreene氏は、Artemisのプロジェクト全体がオープンソースの技術であり続けたいことを強調し、「みんなのものでしょう?最終的に私たちがコントロールできるものではないはずです。私達がメンテナンスに参加するプラットフォームにはなるでしょうが、誰もが接続でき、誰もが自分自身を少しホストできるものです。」とも述べている。
惑星サイズにもなる大きな世界をどのように作るつもりなのか。それにはもちろん紆余曲折があった。プロジェクトArtemisを動かすエンジンはMelbaと呼ばれ、Greene氏の開発スタジオであるPlayerUnknown Productionsで社内開発されている。Artemisの目標は大規模なプロシージャル生成の世界なので、現在のゲームエンジンではこのタスクをこなすのが難しいのだ。Melbaはスケーラビリティを第一に考え、通常であればアーティスト・チームが必要とするような世界をAIで構築できるよう設計されている。
約 1 年前、PlayerUnknown Productions はPrologueの 30 秒のティーザーを披露しました。このゲームは、Melba の機能を紹介する技術デモとして機能することを目的としていた。
そして、このPrologueはまさに序章に過ぎない。機械学習を活用して、人間が実現可能に作成するには大きすぎて複雑すぎる世界とシステムを作成すると彼はGameBeatのインタビューで述べている。これを発展させたArtemisは、最小限のサバイバルゲームとしてスタートし、時間をかけて徐々に内容を充実させていく予定という。
Artemis の目標は非常に野心的で、ユーザーが貢献した分だけ報酬を得るというアイデアは好ましいが、これほど大規模なマーケットプレイスを誰が管理するのかを考えると、難しい問題も残りそうだ。