アメリカでは、ハリケーンが猛威をふるう度にこれまでジョークとして、“冠水した道路にサメが泳いでいる”という画像がいくつも作られ、出回っていたが、そのジョークがついに現実になったようだ。
アメリカのフロリダ州に甚大な被害をもたらした「ハリケーン イアン」だが、このハリケーンによって冠水した道路に“サメ”のような背びれを持つ巨大な魚が泳いでいる様子が撮影され、ネット上で話題になっている。
AP通信によると、フォートマイヤーズの不動産業者であるDominic Cameratta氏は、水曜日の朝、洪水で完全に水没している隣家の庭で何かが「バタバタ」動くのを目撃し、ビデオ撮影をおこなった。
Cameratta氏がAP通信に語ったところによると、「私はそれが何なのかわかりませんでした。魚か何かのように見えただけです。ズームインすると、友達全員が『サメみたいだ!』と言っていました。」とのことだ。彼によると、その魚は1.2メートルほどの長さがあるように見えたとのこと。
この映像に映っているものがサメなのか、それとも他の大型魚なのかについて、専門家の意見は割れているようだ。フロリダ自然史博物館のサメプログラムの元ディレクターであるGeorge Burgess氏は、電子メールで「サメの幼魚のようだ」と述べ、マイアミ大学のサメ保護プログラムのディレクターであるNeil Hammerschlag博士は、「かなり難しい」と書いている。
「若いオオジロザメは、河川、河口、亜熱帯湾などの塩分濃度の低い水域によく生息し、沿岸の運河や池など、海につながるフロリダ州の水域で同様のビデオによく登場します。場所と日付の属性が正しいと仮定すると、このサメは上昇する海とともに海岸に押し流された可能性があります。」とBurgess氏は述べている。
そもそものビデオの真贋についても当初は疑いの目が向けられていたが、AP通信は、オリジナルのクリップのメタデータから、それが水曜日の朝に撮影されたものであることを確認したとのことだ。
フロリダ国際大学でサメの行動を研究している海洋生物学者のYannis Papastamatiou氏は、ほとんどのサメはハリケーンの前に浅い入り江から逃げるため、気圧の変化によってハリケーンが到着した可能性があると述べている。彼によると、サメが誤って小川に飛び込んだり、洗い流されたりした可能性があるとのことだ。