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NASAの3つの望遠鏡がわずか670年前に起こった超新星爆発をとらえた

NASAは、3つの望遠鏡で観測されたデータを用いて、星の終焉に訪れる大爆発の詳細な姿を写し出すことに成功した。

大質量の星がその一生を終えるとき、超新星爆発と呼ばれる光の炸裂を引き起こす。このような恒星の爆発では、激しい爆発によって放出された物質が色とりどりの残骸として残される。

SNR 0519-69.0(略称:SNR 0519)は、数百年前に白色矮星が爆発したときの残骸で、地球から見て16万光年の距離、大マゼラン雲と呼ばれる天の川銀河の伴銀河に位置している。

NASAのチャンドラX線望遠鏡ハッブル宇宙望遠鏡、そして最近引退したスピッツァー宇宙望遠鏡のデータを用いて、SNR 0519の星がどれくらい前に爆発したか、その時の宇宙環境がどのようなものであったかを決定することができたのだ。

「このデータは、それ以降に起こった星の進化の映画を「巻き戻し」、それがいつ始まったのかを解明する機会を科学者に提供するものです」と、チャンドラのチームメンバーは声明の中で書いている。

SNR 0519はIa型超新星に分類され、白色矮星が伴星から物質を取り込んだり、他の白色矮星と合体したりして臨界量に達した結果である。2010年、2011年、2020年に撮影されたハッブル望遠鏡の画像を比較して、爆発による爆風に含まれる物質の速度を測定したところ、爆発による光は約670年前に時速550万kmで地球に到達したことが示唆された。

しかし、チャンドラとスピッツァーのデータは、爆発波に含まれる物質が、周囲の高密度のガス雲に衝突した後、速度を落とした可能性があることを示唆している。もしそうだとすると、最初の爆発は 670 年前よりももっと最近に起こったことになる。ハッブル宇宙望遠鏡のさらなる観測により、この星がいつ爆発したかを正確に特定することができるだろうとしている。

3つの望遠鏡のデータを使って、天文学者はSNR 0519の合成画像を作成することができ、NASAは9月12日にこれを発表した。チャンドラのデータは、SNR 0519 の低エネルギー、中エネルギー、高エネルギーのX線をそれぞれ緑、青、紫でとらえている。

ハッブル宇宙望遠鏡のデータは、残骸の周囲を赤で、周囲の星を白で表している。X線データで最も明るい領域は、最も遅く運動する物質を表し、X線が放射されていない領域は、より速く運動する物質と関連しているとのことだ。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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