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HDDの出荷量は前年比33%と急落している

最近ではSSDの価格もだいぶ安くなっており、筆者はHDDは動画などの大容量データの長期保存用途にしか使わなくなって久しいが、それでもまだまだ需要は堅調と思っていたのでこれは少々驚くべきニュースだ。Storage Newsletterの最近のレポートでは、今年の第2四半期にわたるHDD出荷台数の減少について報告されており、それによるとHDDは前年同期比33%の一貫した減少を示しているとのことだ。

需要減退で出荷台数が前年比33%減、HDDの死は近い?

前四半期の消費者向けおよび企業向け市場におけるHDDの出荷台数は4,500万台にとどまった。ちなみに、2010年のHDDのピークは6億5100万台で、その年の各四半期の平均は1億6200万台だった。

Tom’s Hardwareは、エンタープライズ市場はHPCのニーズで一貫して成長しており、クラウドベース環境は安価で、消費電力が最小であり、SSDと比較して最も大きなストレージサイズを提供すると述べています。また、科学の進歩や、消費者がデジタル空間に依存する必要性の高まりにより、HDDはより必要性の高いものとなっているが、逆にビジネス向けHDDの需要は比較的停滞しており、2021年と比較して受注の減少はごくわずかである。

ベンダーHDD出荷数前四半期比前年比市場占有率
Seagate1,980万〜2,060万-10,4% / -13.8-26.9% / -29.7%44.3% – 44.7%
Toshiba800万〜860万-14.3% / -20.2%-38.5% / -42.8%18.5% – 18.1%
WDC1,650万〜1,730万-12.4% / -16.5%-31.4% / -34.6%37.2 %
合計4,430万〜4,650万-11.9% / -16.0%-31.0% / -34.2%

驚くべきは、2.5インチHDDの出荷台数がこの数四半期で40%減少し、1,100万台にとどまったことだろう。この出荷台数の減少は、SSDなどの「フラッシュベース」のストレージへのシフトが原因であると述べられている。

民生用及びデスクトップ向けは、前四半期比30%減の1,700万台の出荷にとどまり、2番目の落ち込みとなった。小売店、PC、監視カメラなどの需要不足が主な原因であり、8.6%以上のインフレがその他の原因でもあるという。少し前には、暗号通貨Chiaに大量のストレージを利用することから需要が回復したこともあったが、その後暗号通貨の下落により、需要も減退している。ただし、暗号通貨需要の減少だけではこの落ち込みは説明できないだろう。

また、SSDの価格低下により、消費者や企業がHDDと比較して、次世代ストレージの選択肢として注目するようになった。QLCとTLC NANDのウエハーコストは、この前四半期に13%も下がっている。今後も更なる低下が見込まれるだろう。

消費者市場やビジネス市場において、より高機能な新しいストレージ・ソリューションが技術分野で生まれるまで、HDDがSSDに取って代わられるのは時間の問題だろう。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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