英国のOxford Quantum Circuitsが4,700万ドルの資金調達を発表 – 東京大学系ファンドが主導

© Oxford Quantum Circuits

少し前まで今世紀中の実現は難しいと考えられていた量子コンピュータは、ここ数年で飛躍的な進歩を遂げている。その比類ない処理能力が現実のものとなる時代に備え、既に理論的な概念から複数のテスト環境へと移行しているのだ。

今回、英国を拠点とする Oxford Quantum Circuits (OQC) は、Coaxmon と呼ぶ同社が特許取得済みの 3D プロセッサ・アーキテクチャと、その上で動作する Quantum-computing-as-a-Service(QaaS) の成長を促進するため、3800 万ポンド (4700 万ドル) の資金調達を発表した。OQCによると、今回のシリーズAは、英国に拠点を置く量子コンピューティングの新興企業としてはこれまでで最大規模とのことだ。

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Oxford Quantum Circuits : OQC raises £38 million Series A

「OQCによると、今回のシリーズAは、英国に本拠を置く量子コンピューティングの新興企業としては、これまでで最大規模のものだという。OQCの創業CEOであるIlana Wisby氏はインタビューで、「私たちは規模を拡大し、エラーレートを減らしていきます」と述べています。”我々のビジョンは、シームレスな量子アクセスです。”

このラウンドは、ヨーロッパを代表する投資会社の1つであるLansdowne Partnersと日本最大のディープテックVCファンドである東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)が共同で主導した。また、British Patient Capital、Oxford Science Enterprises(OSE)、Oxford Investment Consultants(OIC)も参加している。OQCは、量子物理学者であるPeter Leek博士がオックスフォード大学からのスピンアウトとして始まった企業で、OSEとOICが220万ポンドのシードラウンドをリードしている。

この資金を利用して、さらに多くの人材を雇用し(現在、従業員数は60名)、量子コンピューティングに興味を持つ開発者がアクセスしやすいように改善を続け、現在8量子ビットマシンをベースとするコンピューティング・インフラを構築し続ける予定とのこと。また、アジア太平洋地域、特に日本への進出にも資金の一部を充当し、金融サービスやその他の分野の潜在顧客を開拓する予定とのことだ。

UTECのプリンシパルであるLenny Chin氏は、次のように述べている。「UTEC は、量子技術をすべての人に身近なものにするという OQC のミッションの一翼を担えること を光栄に思います。また、東京大学を含む大学との連携や、日本の大手金融機関やハイテク企業とのパートナ ーシップを通じて、OQC のアジア太平洋地域への拡大を支援していきます。」

このスタートアップは、すでにさまざまな顧客にサービスを提供しており、OQCのプライベートクラウドや、Amazon Braket(AWSの量子コンピューティングプラットフォーム)を通じて、Rigetti、IonQ、D-Waveといった他の量子サービスプロバイダーにも開発者がアクセスできるようになっている。

量子コンピュータの真価は膨大な計算能力だが、それを大規模に、しかも大量のエラーを発生させずに実現できる量子コンピュータは、まだ登場していない。

しかし、最近では、このハードルが「もし」ではなく「いつ」克服されるかに期待が集まっているようだ。OQCはこのエラー低減において、同社の特許技術「Coaxmon」が大きな役割を果たすと考えている。

2. OQC
Oxford Quantum Circuitsの特許技術「Coaxmon」を搭載した量子コンピュータ「Lucy」(出典:Oxford Quantum Circuits)

Oxford Quantum Circuitsの8量子ビットコンピュータは、この分野では最大規模ではないが、Wisby氏は、資金調達が厳しい中でユーザーを増やし、このような投資が行われている理由の一つは、そのプラットフォームが他より欠陥が少ないという点で優れているからであると考えている。

「私たちは皆、より大規模なプロセスを目指しています。しかし、品質が良く、エラーが少ないということは、何か意味があるのです。」彼女は付け加えました。「私たちはエラー率が低いので、この資金で次のステップを実現することができます」。

地域や国が、早くからこの分野のリーダーを支援することで、次世代技術におけるそれぞれの地位を固めようとしていることも、このプロセスの大きな推進力となっている。したがって、OQCの支援は、その戦略の一環であると考えられる。British Patient Capitalは、英国のビジネスと産業の発展を目的とした政府系銀行であるBritish Business Bankの投資部門であり、この点では戦略的な支援を行っている。

Lansdowne Partnersのパートナーで先進国市場戦略責任者のPeter Davies氏は、「英国初の商用量子コンピュータを発売して以来、我々はOQCの技術開発と将来の野望の両方に大きな感銘を受け続けています。この革新的で先見性のある企業に投資できることを大変うれしく思います。」と述べている。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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