2022年7月1日のTwitterトレンドに「#BrandedLikes」というタグが入っていた。このタグを使う事で「いいね!」ボタンを押した際のアニメーションが通常のハートマークから卵のアニメーションに変わるということで、多くの人に共有されていたが、この機能は同日付で始まったTwitterによる広告プログラムの新機能だ。
ちなみに、この「#BrandedLikes」のタグが有効だったのは2022年7月1日の1日だけとなる。それ以降は該当の広告プログラムを利用している場合でなければ、「いいね!」ボタンは通常通りのハートマークだ。
また、「いいね連打すると○○が出るかも」というのも、単なる「いいね!」稼ぎのジョークとなり、実際は何の反応も起きないので注意。
- Twitterは、企業が「いいね!」ボタンを自社ブランドを反映したカスタムアート作品に変換できる「Branded Likes」を導入した。
- この新機能は、Twitterの既存のタイムラインテイクオーバーサービスに追加されるものである。
- Branded Likesは、24時間後に消滅する。
1日あたり約2600万円で利用可能な広告プログラム
Twitterは、広告主が「いいね!」ボタンを独自の物に変えることで、ブランドとユーザーを結びつける新たな方法を開発した。この「Branded Likes」は、米国、英国、サウジアラビア、および日本から導入されるとのことだ。
Branded Likesは、Twitterのタイムラインテイクオーバーのアドオンとして提供される。タイムラインテイクオーバーを利用すると、ユーザーが初めてTwitterを開いたときに、そのブランドの広告が最初に表示されるようになる。これに今回のBrandedLikesを組み合わせる事で、広告主はブランドの露出を最大化し、エンゲージメントと話題を促進することが出来るようになるとのことだ。
広告主は、Branded Likesに付けるハッシュタグを選択でき、そのハッシュタグの翻訳を最大10個まで付けることができるようになる。ユーザーが「いいね!」ボタンをタップすると、そのハッシュタグを含むオーガニックまたはプロモートのツイート上にカスタムアニメーションが表示される。このアニメーションは、ブランドのテイクオーバー広告と同じ国で、最大24時間表示されるとのこと。
Twitterは、米国、英国、サウジアラビアのBare Tree Mediaや日本向けのCarbonなどのクリエイティブパートナーと協力して、アニメーションを制作したとブログで述べている。
実はこの機能自体は2019年から一部の広告主にβ版と言った形で提供されていた。2020年には、スクウェア・エニックスがいいねをスライムの形に変える、といった活用も見られ話題となった。それが今回正式にローンチした形だ。
また、同社は新たなプログラムの導入にあたって行った調査では、3人のうち2人がBranded Likesを魅力的だと感じており、Branded Likesのテストでは、ポジティブなインパクトがあったとしている。
「テストでは、Branded Likesとタイムラインテイクオーバーとの組み合わせで、ブランド想起が+277%、購入および検討意図が+202%というポジティブな効果が得られた」とTwitterは報告している。
Twitterでは、タイムラインテイクオーバーの広告コストを明らかにしていない。しかし、Social Media Todayによると、タイムラインテイクオーバーと同じような働きをするトレンドテイクオーバーは、1日あたり約20万ドルかかると指摘している。
そのため、Branded Likesがアドオンに過ぎないとしても、ほとんどのブランドにとっては導入に躊躇してしまう価格になるのではないだろうか。しかし、Twitterが指摘するように、“映画やシリーズのプレミア、大きな会議、新製品のリリース、あるいは世界的なスポーツイベント ”には理想的な物かも知れない。