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素粒子物理学の標準模型が崩れる可能性 – 専門家が解説

2022 5/08
サイエンス
2022年5月8日

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CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で働く物理学者として、私が最も頻繁に受ける質問の1つが、「いつになったら何か見つかるのですか?ノーベル賞を受賞したヒッグス粒子や、たくさんの新しい複合粒子は別として」と言う皮肉混じり物だが、このような質問を頻繁に受けるのは、素粒子物理学の進歩を広く世の中にどうアピールしてきたかにと言う部分に原因があることに気付く。

私たちはよく、新しい粒子の発見という観点から進歩について話す。新しい、非常に重い粒子を研究することは、その背後にある物理過程を見るのに役立つからだ。そのため、一般の人々や政治家に対して、発見の価値を説明することが容易になる。

しかし最近、既に知られているありふれた粒子やプロセスの精密測定が相次ぎ、物理学を揺るがす恐れが出てきた。LHC がこれまでよりも高いエネルギーと強度で稼働する準備が整いつつある今、その意味するところを広く議論し始めるべき時なのだ。

実のところ、素粒子物理学は常に2つの方法で進められてきた。もう1つは、非常に精密な測定を行って理論の予測を検証し、予想されるものからの逸脱を探すというものだ。

例えば、アインシュタインの一般相対性理論を証明する初期の証拠は、星の見かけの位置や水星の軌道の動きから小さなずれを発見することから得られている。

3つの重要な発見

粒子は、量子力学と呼ばれる直感に反するが大きな成功を収めた理論に従う。この理論によれば、実験室で直接衝突させることができないほど巨大な粒子であっても、「量子ゆらぎ」と呼ばれる現象によって、他の粒子の動きに影響を与えることができる。しかし、このような効果の測定は非常に複雑で、一般の人に説明するのは非常に難しい。

しかし、標準模型を超える説明のつかない新しい物理を示唆する最近の結果は、この2番目のタイプに属するものだ。LHCb実験による詳細な研究の結果、ボトムクォーク(原子核の陽子と中性子を構成するクォーク)として知られる粒子が、ミュー粒子(電子より重いが、それ以外は同じである兄弟)になるよりもはるかに頻繁に電子に「崩壊」(バラバラになる)することがわかった。標準モデルによれば、このようなことは起こらないはずであり、新しい粒子や自然の力がこのプロセスに影響を与えている可能性を示唆している。

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しかし、LHCのATLAS実験による「トップクォーク」が関与する同様の過程の測定では、この崩壊が電子とミュー粒子で同じ割合で起こることが明らかになった。

一方、アメリカのフェルミ研究所にあるミュー粒子g-2実験は、ミュー粒子の「スピン」(量子的性質)が周囲の磁場と相互作用したときにどのように「ぐらつく」かを最近非常に精密に研究している。この実験では、理論的な予測からわずかながらも大きなずれがあることがわかった。

今回の驚くべき結果は、放射性崩壊を支配する弱い核力を担うWボソンと呼ばれる基本粒子の質量を測定したものである。長年にわたるデータ収集と分析の結果、同じくフェルミ研究所で行われたこの実験では、Wボソンが理論の予測よりもかなり重いことが示唆された。これは、100万回以上の実験でも偶然には起こりえないような量の乖離なのだ。ここでもまた、まだ発見されていない粒子がその質量を増やしているのかもしれない。

しかし、興味深いことに、これはLHCで行われた精度の低い測定結果(この研究およびこの研究で発表された)とも一致しない。

評決

これらの効果に新しい説明が必要であると絶対的に確信しているわけではないが、何らかの新しい物理学が必要であるという証拠は増えてきているようだ。

もちろん、これらの観測を説明するために提案される新しいメカニズムは、理論家の数とほぼ同じだけ存在するだろう。多くの人は、様々な形の「超対称性」に注目するだろう。これは、標準モデルには我々が考えているよりも2倍の数の基本粒子が存在し、それぞれの粒子は「スーパーパートナー」を持っているという考え方だ。この考えには、ヒッグス粒子(基本粒子に質量を与える場と関連する)が追加されている可能性がある。

また、これを超えて、「テクニカラー」のような最近流行していないアイデアを持ち出す人もいる。これは、(重力、電磁気、弱い核力、強い核力に加えて)自然界の力がさらに存在することを意味し、ヒッグス粒子が実際には他の粒子からなる複合物体であることを意味するかもしれなり。この問題の真相は実験によってしか解明されないが、実験家にとっては朗報である。

新発見を支えた実験チームは皆、尊敬を集めており、長い間この問題に取り組んできた。とはいえ、これらの測定が極めて困難であることを指摘するのは、彼らに対して失礼なことではないだろう。さらに、標準モデルの予測には、通常、近似計算が必要だ。つまり、理論家が違えば、仮定や近似の度合いによって、質量や崩壊速度が微妙に異なることが予想されるのだ。そのため、より正確な計算をすれば、新しい発見のいくつかは標準モデルに適合することになるかも知れない。

また、研究者が微妙に異なる解釈をしているために、矛盾した結果が出ているのかも知れない。2つの実験結果を比較するには、どちらの場合も同じレベルの近似が使われていることを注意深く確認する必要がある。

これらは両方とも「系統的な不確かさ」の原因の例であ り、関係者はそれらを定量化するために最善を尽くすが、予 期せぬ合併症により過小評価または過大評価されることがある。

このことは、今回の結果を面白くも重要でもないものにしている。この結果が示しているのは、新しい物理学をより深く理解するための道は複数あり、そのすべてを探求する必要があるということだ。

LHCの再稼働により、より稀なプロセスで新しい粒子が作られたり、まだ解明されていない背景の下に隠された粒子が発見されたりする可能性はまだ残されているのだ。

本記事はThe Conversationに掲載された記事「The standard model of particle physics may be broken – an expert explains」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。

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CERN LHC 物理学 素粒子物理学
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