AppleとNetflixは、今年のアカデミー賞授賞式で、俳優のウィル・スミス氏がコメディアンのクリス・ロック氏に平手打ちをした騒動の後、既に始まっていたスミス氏の伝記に対する入札競争から撤退した事が分かった。
AppleとNetflixは、2021年に発売されたスミス氏のベストセラー自伝を映画化する権利について、入札競争に参加しているいくつかの企業の1つだったが、今回映画への入札を取り下げたと報告したとのことだ。
「NetflixとApple TV+は、ウィル・スミスの伝記への入札を静かに削除し、代わりに資金を移転し、新しい黒人俳優から独自のアイデアを開発する」と情報筋は述べている。
一連の騒動についてご存じでない方の為に記載しておくと、アカデミー賞授賞式において、コメディアンのクリス・ロック氏が、ウィル・スミス氏の妻、ジェイダ・ピンケット・スミス氏をいじるジョークを言った際に、ウィル・スミス氏が壇上に上がり平手打ちをして抗議をしたという事態があった。(ジェイダ・ピンケット・スミス氏は脱毛症を患っており、そのため丸刈りに近い髪型をしていた)
一連の平手打ち騒動は大きな波紋を広げており、業界にとってスミス氏と関わることは「危険なビジネス」になっているという。
アカデミー賞で、スミス氏は「King Richard」でアカデミー主演男優賞を受賞しており、受賞の際のスピーチでは一旦自身の行動を擁護したが、後に自身の行動について謝罪し、その後映画芸術科学アカデミーを辞任している。
スミスは現在、「Emancipation(解放)」と呼ばれるAppleTV+の新しいオリジナル映画に出演する予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため、映画の製作は中止となっている。